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真白
「私はあっちのお店にいますからミライは好きなとこに行っていいわよ?」
僕は今お母様と一緒に街に来ていた。
本当はお買い物なんて使用人がするのだけれどお母様は多分僕を気遣ってくれたのだろう。
「はい。じゃあ後で」
「ええ。迷子にならないようにね?」
「はい。」
許可ももらったところで僕は歩き出す。
行く先なんて得には決めていないけれど久しぶりの外出に、少し興奮していた。
「うわぁ…協会…?」
歩いて行き着いたのは、夕焼けが差し込める協会だった。
そこは人どうりが少なく、街から少し外れているようだった。
「綺麗…」
なんとなく中に入って辺りを見回した。
もう使われていないのか、少し誇り臭かった。
―とさ
「…?」
なにか、音が聞こえた気がした。
「誰かいるのかな…」
音を頼りに僕は足を一歩一歩すすめる。
「…人…?」
いたのは、横に倒れていた人。
とても真白で、まるで天の使いのようだった。
僕は、その人に近寄った。
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