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夏休み開始




「それじゃあ、中学生活最後の夏休み。楽しい日々を送ってください!解散!!」


「「「さよーならー」」」



7月のある日、僕等は学校に着くと体育館に集まって、校長の話を聞いていた。

それというのもあすから夏休みが始まる。
夏。
いろいろ誘惑がいっぱいの季節だろう。
だからか、鬘をつけている校長の話は思った以上に長かった。

その分担任の話が短くて助かったが。



教室は夏休みが始まるからか、今まで以上の盛り上りを見せていた。



「夕陽。帰ろうぜ。」

鞄に教科書(置き勉してたやつ)や筆記用具を入れていると目の前に差し掛かる影。


「皐月…待ってて今準備すっから」

名前は赤坂皐月。
小さい頃からの付き合いで、小学校6年間、中学校3年間ずっと同じクラスだった。
勿論、幼稚園の頃も。
そんな僕たちは自然と一緒にいるようになり今では親友という言葉じゃ言い表せないほどの仲だ。




「なー、この休みどっか行ったりする予定あんのー?」

まだまだ暑い日差しが照りつける中、皐月が腕を伸ばしながら聞いてきた。

「んー…得にはないかな。親も仕事で忙しいだろうし」

「へー、やっぱ夕陽もか。」

「やっぱってなんだよ」


二人笑いながら帰路へとつき、別れる前に約束をした。



「今年もいっぱいあそぼーなー!」

「おー!また風邪ひくなよー」


かけられ声にそう返すと「うるせー」と帰ってきた。
大きく手を振り今度は一人で家への道を歩く。



その時、視界の隅に何かが横切った。









「あ、猫」





黒猫が横切ると不吉だと言ったのは、



誰だったか…


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あきゅろす。
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