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ぼくはねこ
8.

廊下からドドド、と走ってくる足音が聞こえる。
きっとシノだ。
さっき使用人に産まれた事を伝えたので、それを聞いて慌ててこの部屋に向かているのだろう。
バンっと大きな音をたてて、「産まれたのか?!」と聞いてくるシノにジューンは人差し指を口にあてながら静かに、と言う。

「ご、ごめん」

シノはジューンとルナがいるベッドの方にゆっくりと歩み寄り、赤ん坊を見た。

「ね、猫じゃないか」

そう。
獣族の子ども達は産まれた時は動物と全く同じ姿なのだ。
ただそれも最初だけで1歳くらいになるとどんどん毛は抜け、それぞれの特徴だけが残る。
ルナもそうだったし、多分この子達も猫耳と尻尾はそのままになるだろう。
そう説明されて納得したシノはルナから1匹の猫を渡された。

「柔らかい…」

指を猫の口に付けるとペロペロと舐められる。
それを見てクスクスと3人で笑い合う。


「これから屋敷が賑やかになりそうだな」


それに答えるように3匹の小さな猫はピクピクと小さな耳をふるわせた。



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あきゅろす。
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