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ぼくはねこ
7.

「ルナ…」

ジューンが起きたらしい。
まだ寝ぼけたまま、手をのばしてルナを探しているのがわかる。
それでも捕まえられずただジューンの手はベッドを行き来している。

「ジューンさま、おはようございます。産まれましたよ?」

「…ん?」

ルナの言っている事がすぐに理解出来ないらしく起き上がろうとはしない。
しばらくした後で上半身だけ飛び上がりジューンの足元にいるルナを凝視する。
詳しく言えばルナの手の中のものを、だ。

「……」

ジューンは無言で側に近寄り、産まれたての我が子たちをみる。
3匹の白色の猫はは寄り添いながら寝ていた。
さっきまで鳴いていたのだか疲れてしまったのであろう。

それにジューンは手をのばし、傷つけないよう触れる。
子猫は「ミー」と消えそうなくらい小さな声で鳴き、それに驚いたジューンがルナを見た。
その顔が少し可笑しくて笑ってしまった。

「一人で産んだのかい?」

「はい。あっと言う間でした。」

ニコッと笑うルナの顔には確かに疲れは見えない。
そっとルナの頬に触れ、「頑張ったね」とキスをする。
何度もついばむようにされ、こそばゆい。

「私たちの子どもだ」

「はい。」

すやすやと眠る子ども達を2人は愛おしそうに見守っていた。



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