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ぼくはねこ
5.

ジューンの手はルナの秘部へと持って行かれた。
そこにあったのは「おんなのこ」の象徴のそれだった。




「ルナ…」

「ぼく、男になりきれなかったんです…。だから出来損ない」

ふふ、とルナは自嘲しながら同時に涙した。
そっと両手でルナの顔を包む。

きっとこの事で傷ついてきたに違いない。

「これからは私が守るよ。」

「ぅ、う〜」

ルナはそのまま抱きついてきて、腕の中に収まるり、ジューンは宥めるように髪を撫でる。

「大丈夫、大丈夫」

「うぇ、ぅ、ぼ、ぼく、ジューンさまが大好きです。こんなぼくでも」

「受け入れるよ。どんなルナでも可愛い」

ぎゅ、と抱きしめる。

すると珍しくルナの方からキスをされた。
とても上手とは言えないが、ジューンはそれだけで満たされる。

至近距離で見つめ合う。

ルナの濡れた瞳がとてもきれいだ。

それから2人はお互いを確かめるように、静かに1つになった。





* * *


「おはようございます」

朝8時
いつも通りにメイドがジューンの部屋に入り、カーテンをシャッと開ける。
そこから眩しいほどの光が差し込み、一気に眠気が飛んで行く。

「今日の朝食にはルナ様の大好きなスコーンがありましたよ」

飲んだコーヒーがそのままになっており、片付けながらそう言う。
いつもは自分でやるのだが、昨日は時間がなくてそのままだった。

「悪いね、ありがとう」

「いいえ、あっ」

今日初めてまともにジューンの顔を見たメイドは一気に顔を赤らめる。

そういえば何も着ていないのに気がついた。
隣にいるルナは小さくなってジューンのお腹あたりに丸まっているからメイドからは見えないだろうが、感が鋭いのか何があったのかすぐにわかったようだ。

「あ、あの、えっと失礼します」

がちゃがちゃと食器を棚にしまい、そそくさと部屋から出て行った。
扉の閉まる音が思ったより大きく、その音でルナも起きたようだ。

「おはよう、ルナ」

まだ半分寝ているルナの顔にキスを落とす。

ほっといたらまた眠りそうなので、ゆっくりと上半身を起こしてやる。
頭をこっくりと揺らしながら両手で目を擦る姿が可愛らしい。

「まず服を着ないとね」

「ふく?」

自分の体を見て何も身につけてない事に慌てたルナはすぐに布団を手繰り寄せた。

「あ、あの、…おはようございます」

「ふふ、可愛い寝癖だ」

ぴょんと跳ねた髪を撫で、空いてる手でルナの服を取る。

「……」

昨日の事を思い出しいているのか無言で服を着ているルナ。

可愛くてたまらない。

ドアがノックされ今度は中には入らず「皆さん、お集まりです」と声だけが聞こえた。

ずっとルナを見ていたかったが、自分も準備をする事にした。


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