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ぼくはねこ
4.

ルナがベッドから抜け出した。
今から何が起こるのか全く予想出来ない。

「ルナ?」

呼びかけるとぎこちない笑みを向けてきて、ルナは上の服を脱いだ。
寒さか、それとも別の理由か、身体が震えているのがわかる。

ルナがなぜ服を脱ぎ出したのかわからないが、誘っているわけでは無いことはわかった。
そんな雰囲気ではない。

次にズボンへと手を伸ばす。
ゆっくりと下着も脱ぎ、産まれたままの姿をジューンに晒した。

「ぼくの全部、受け入れてほしいんです」

切迫した空気が伝わってくる。
全部が小ぶりのルナ。
何か特別な所があるわけではなさそうだ。

「…ぼく、小さい時に猫族の大人の人に襲われそうになった事があるんです」

息を呑む。
ルナは目を伏したままさらに続ける。

「守ってくれるのがエマおばさんだけだったから、いつでも着いて行きました。」

「どうして?他の人は?」

「…みんな気持ちわるがって関わってこないんです…セシル姉さんもそうでした」

どうしてそんなにルナが疎まれるのかが理解でしなかった。
こんなに可愛らしくて、皆に愛されそうな子が…

「セシル姉さんはぼくが産まれてこなかったら母さんは生きていたのにっていっぱい責めました。しかも産まれてきたのが出来損ないだったから」

「出来損ない?ルナが?」

こくりと頷く。
出来損ない、とはどういう意味だろうか。


「僕、完全な男じゃ無いんです。ほら小さいでしょう?」

ルナの「おとこのこ」は確かに小さい気がするが、別にそれだけで出来損ない、と咎められる筋合いは無い。

「そんなことで…」

「それだけじゃないんです」

ルナの声が震えている。
抱きしめてやりたい衝動にかけられたが、最後まで見守る。

ふいに手を掴まれた。

「え?」


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