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ぼくはねこ
3.

2人分のアイスクリームを頬張ったルナはとてもご機嫌だ。
鼻歌を歌いながらニコニコ目の前に飾ってある花をつついている。

「ルナ、そろそろ部屋に戻ろうか」

「はいっ」

待ってました、と言わんばかりに椅子から飛び降り、シノやエマに挨拶をしてからジューンの部屋へと向かう。



それから眠るまでの間、ルナとジューンは色々な話しをする。
お互いのことや、今日あった面白いこと。

ジューン自身の事も沢山聞いた。
だがまだまだ知りたい。
好きな人の事、もっと知りたい。

「今日はルナの事を聞かせてくれ」

ベッドに入り、向かいあいながら話す。

「ぼくの?」

うーん、と頭を傾げる。

「家族の事とか」

「かぞく…」

姉は3人いる。
上の2人は既に人間に嫁いでいる。
1番上の姉とはもう5年も会っていない。
次に会えるのはいつなんだろう、と考える。
ルナにとても優しかった姉さん。
(もう会えないのかもしれない…)

「両親は?」

「父さんはぼくが産まれた時には亡くなってました。母さんもぼくを産んだ時に…」

「そうか」

ジューンがルナのために悲しんでくれているのが表情でわかった。
そっと手をルナの背中へまわす。

「これからはずっと一緒だよ」

「はい…」

ひとりじゃない
それがルナを安心させる。

「ジューン様、」

今日、話そうと決めていた。
ルナの身体のことー…

この人に自分のすべてを見せようと思っていた。




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あきゅろす。
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