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ぼくはねこ
4.

ゆっくりとドアを開ける。
カイの言った通りそこにいたのはジューンだった。
でも隣にはセシルがいない。

「あの…」

「入ってもいいかな?」

「…姉はまだですけど」

一歩下がってそう言うとジューンが疑問を顔に滲ませた。

「ルナに話しがあるんだ」

何を話す事があるんだろう、と思ったが取り敢えずベッドに座ってもらった。
ジューンはキョロキョロ部屋を見渡して机の上をみて微笑んだ。

「猫じゃらし、まだ持っていてくれたんだね」

「…はい」

ジューンはルナを自分の隣に座らせ、頭を撫でた。
ルナは嬉しくなり気づかれないよう頬を赤らめる。

「ルナ、」

呼ばれて見上げるとジューンの顔が思ったより近かったので驚いて少し距離をとる。

ジューンはなかなか口を開こうとしない。

「あの…」

声を掛けてもまだ何も言ってこない。
ただひたすら何かを考えるようにルナを見ている。

「ルナは……シノの事が好きなのか?」

「え?はい、もちろん」

「そ、そうか…では結婚も」

結婚と聞いて耳を疑った。

「え、え、シノの事は好きですけどそういう好きではありませんっ。ただ、シノは僕の事を友達と言ってくれた初めての人で…大切な人です」

それを聞いたジューンは意表を突かれたような顔をした。
それからハハっと笑ってルナの顎を撫でた。

(何がそんなに可笑しいのだろう)



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