ぼくはねこ 3. トトにこの辺の町の事を聞いたりしながら服屋に向かった。 案内されたのは小さいけれど可愛い服がいっぱいある店だった。 そこでルナは頼まれていたスカートを3着買い、トトに丁寧にお礼をした。 「いいって!じゃあ俺、友達と遊んでくるから!」 「え、おじさんは知ってるの?」 「いいんだよ!じゃあなー!」 「あ、ありがとー!」 トトはそれに答えるように片手を上げて手を振る。 (ここの人たちは皆良い人ばかりだ) もしまた暇な時があればシノも連れて遊びに来たいと思った。 * * * 「カイ!」 ルナの声に反応してカイが立ち上がる。 少し寝ていたらしい。 (買えたか?) 「うん!ほら!」 自慢げに手に持っている袋をカイに見せ、ニコっと笑う。 カイはそれに微笑み返し、ルナを背中に乗せた。 (さぁ、帰ろう) 行きと同じ早さで走る。 帰りは夜になると思っていたが、カイのスピードでお昼には帰る事が出来た。 小屋の前で下ろされ、ルナは"ありがとう"と今日何回か言ったその言葉を口にした。 これを言うたび嬉しくなる。 (誰かが僕の為に何かしてくれたって事なんだもんね) 何かお礼が出来ないか、と考えて 「カイはクッキー食べれる?」 (くっきー?) 「そう!甘いお菓子だよ」 (基本的に何でも食べる) 「じゃぁ今日のお返しに今度作るね!ぼく料理は出来ないんだけどクッキーは小さい頃、エマおばさんに教えてもらったんだ!」 (楽しみにしてる) カイと約束し、姉がいるであろうルナ達の部屋に向かった。 [*前へ][次へ#] [戻る] |