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ぼくはねこ
3.

ーー真夜中
深夜3時ごろ

ルナは眠れないでいた。
時々こうゆう事があるのだ。

真っ暗な中、セシルの寝息しか聞こえない
その寝息は安定しているが、ルナの息づかいだけが、どんどん乱れていく。

「、はぁはぁ、はっ」

苦しい
息がしずらい
自然と涙も出てくる。

足の震えを抑えながらベッドから降り、暗い廊下を走る。

「はっ、はっ、はっ」

どこに向かっているのだろう
自分でもわからないけど、とにかく走る。

気がついたらジューンの部屋の前に立っていた。

(この中にジューンがいる)
そう思うだけでルナの心は少しだけ落ち着いた。

ドアにもたれ掛かり、ズルズルとその場にしゃがみ込んだ。

「…はぁ」

やっと落ち着いて何時の間にか涙も止まっていた。


(どうしてシノじゃなくてジューン様の所に来たんだろう…)

考えても答えは見つからず、立ち上がって部屋に戻ろうとした時だった。


「ルナ?」

「っジューン様!」

扉が開けられて中からジューンが顔を出した。
薄暗かった廊下にジューンの部屋の明かりが漏れる。

「どうしたんだい?こんな時間に」

「ね、眠れなくて」

「そうか、お入り」

ルナの肩を優しく抱いて部屋の中に入れた。
仕事部屋には入った事があるが、プライベートの部屋に入ったのは初めてだった。

(この匂い…)

部屋中にシノの所で嗅がせてもらったコーヒーの香りがする。
仕事が終わって寝る前に飲んでいたところだったんだろう。

入ったのはいいが、どこにいればいいのか分からず視線を泳がす。



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