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短編
morning call
携帯電話の着信を知らせるコールが5回鳴ったところで目が覚めた。

枕の脇に置いてあるそれに手を伸ばし、ディスプレイを見ずに応答を押す。
誰から来たかは分かっている。


「……はい」

『おはよー。起きた?』

「…今起きた…はよ…」


電話の相手は彼女ではない。
俺が彼女をつくったことは一度もないし、
面倒だからいらない。

電話をしてきたのは男だ。
高校に入ってから席が隣だっただけの、極めて単純な理由で仲良くなった。

身長が俺より小さい。
顔が小さくて可愛い。
仕草が可愛い。
カーディガンとかの袖を引っ張ってる所を見ると
女子かと思うけど可愛いから許す。
とにかく可愛くて好きだ。


「……あー、なあ、今日…」

『お弁当?』

「んー、つくって」

『はいはい…今日天気いいから外で食べようよ』

「あぁ…」


また閉じ始めている瞼を擦り、起き上がる。


今日もまた、可愛くて大好きな人に会うために。



「オムライス作ってくるなら聞けよ」
「なんで?アレルギー?」
「文字書いてほしかった」
「え、なんて?」

「大好き」

「……はい?」

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