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ストナラー大陸の東部に位置するエリダラーダ国。

夏になっても例外なく涼しいこの国は植物が育ちにくい地域である。


そんなエリダラーダ国の城下町のはずれに、一人の青年が立っていた。


栗色の髪に同色の瞳をもつその青年は、木に寄りかかり腕を組んでいる。


ボーっと空を眺めているだけに見えるその青年の名前はアキラ。


彼の腰にはこの国では珍しい日本刀と呼ばれるものがささっている。


雲ひとつない青く澄み渡った空を、アキラは沈黙のまま眺めていた。









…*…*…*…*…










地球にて……


「………」


日本にあるとある一軒家で、一人の青年が一枚の写真を眺めていた。


眼鏡越しから見つめる写真には二人の少年が映っている。


一人は笑顔で笑っている栗色の髪をもつ少年。


もう一人は、無表情ながら柔らかい雰囲気をもつ黒髪の少年である。


二人は仲よさそうに肩を組み、カメラに向かってピースをしている。


「……晃」


その写真に写る栗色の髪の少年を指でなでながら、青年は切なげにそうつぶやいて、視線を空へと移した。


見上げる空は、切なげな青年の心とは対照的に青く澄み渡っている。


「勝利!!」


下から聞こえていた自分の大切な弟の声に、青年は部屋から出て行った。








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