入部01 入学2日目。 ザワザワと騒がしくなり始めた教室で、うちは頬杖をつきながら外をながめとる。 普段ならギリギリまで寝とるうちが、なんでこんな早い時間に教室にいるかっちゅうと 臨也さんに叩き起こされたからや。 朝飯くらい自分で作れやって思うたけど、笑顔でナイフ向けてくる臨也さんに反論なんかできるはずもなく、しぶしぶベットから降りた。 朝食を食べ終わって早々と帰って行った臨也さんを見送って、ちょい早いなとは思うたけど、うちも学校へ向かった。 ちゅうても、教室にはちらほらと人が居ったんやけど。 「あ、おはよう。朔夜。」 続々と門から入って来る緑色の群れを眺めとったうちの耳に、はいってきた言葉にそちらへと視線を向ける。 「おはようさん。セナ。」 相変わらず、すごい髪形をしとるセナが頬笑みを浮かべて立っとった。 自分の席に座るセナを眺めながめる。 「セナ。なんかえーことあったん?」 彼の表情が昨日と違うような気がして ちゅうか、なんか明るいような気がするんやけど、なんかあったんやろか。と思ってそう声をかけてた。 そしたら、セナがはにかみながら答え口にする。 「僕、アメフト部に入ったんだ」 「アメフト?セナが、か?」 ジッと隣の席のセナを見る。 セナは一般の高校生と比べると 小柄で(女のうちよりちっこい) 気が小さくて(見た目的に) 力もなさそうやな(同上) 見るからにアメフトとは無縁そうなセナが、アメフト。 「・・・選手じゃくて主務なんだけどね。」 「あ、ああ。主務な、主務。」 多分うちが失礼なこと考えとったんがわかったんやろう。 ちょっと、気分が沈んどるようなきがする。 にしても、アメフトなぁ。 なんや、懐かしいわ。 「アメフト部ってさ、マネージャーとかとっとるん?」 「う、うん。」 いきなりの問いかけに、戸惑いながらもうなづくセナ。 そんな、彼にうちは笑みをうかべて口を開いた。 「うち、アメフト部のマネージャーやるわ。」 「ほ、本当!?」 「おん。これからは、部活でもよろしゅうな。セナ」 [次へ#] [戻る] |