[携帯モード] [URL送信]
入学式03


女のうちより小さいってセナの身長っていくつやねん。


あ、ちなみにうちは160cmちょうどや。


「折原さんは、大阪の人なの?」


セナのその言葉に、ブワッと悪寒が走った。

折原、さん!?


「小早川。できれば朔夜って呼んでくれへんか!!
折原さんってなんか背中がさむぅなるわ」


グワッとセナの方を向いて、そう告げる。

多分、今のうち、すごい形相やと思うんやけどそんなこと気にしてられへん。


そんな誰かさんを想像させるような呼び方、絶対やめさせとかな。


セナは最初ちょっぴりびっくりしてたみたいやけど、きちんとうなずいてくれた。


「うん、わかった。
それじゃあ、朔夜も僕のことは瀬那って呼んで。」


「おん。」


ええ子や。この子。

グリグリと頭をなでたい衝動に駆られたがそれをグッと我慢する。



チャラララ。チャラララ。



教室を出て暫く立ったところで、うちの携帯が鳴った。


スカートのポケットから携帯を取り出し、それを開いた瞬間思わず眉間にしわが寄ってしもうた。


From 折原臨也
Sub 終わった?
今、家にいるからすぐ
帰っておいで。



「朔夜?」


恐る恐るといった感じで声をかけてくるセナにはっとなって、セナの方へと顔を向ける。


「スマン、セナ。
用事できてもうたさかい、先帰るわ。本間にごめんな」


「ううん。大丈夫だよ。用事なら仕方ないし。」


携帯を鞄に投げ入れ早口でそう伝えると、セナは優しげな表情でそう言ってくれた。


そんな彼に余計申し訳なく思いながらも、うちは駆け足で家へと向かう。


まさかこの後、セナが不良に絡まれることになるなんて思いもせずに・・・。




[*前へ][次へ#]

3/5ページ

[戻る]


あきゅろす。
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!