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スケット集め03

HIRUMA SIDE


「おい、糞関西弁。てめぇは残りやがれ」


糞チビとともに帰ろうとしている糞関西弁に、俺はそう声をかけた。


糞関西弁は不思議そうにこちらを見てきたが、銃を向けたら案外素直にうなづき近くの椅子に腰かける。


「何か、うちに用でもあるんですか?」


「てめぇ、どうやって調べた?」


そう尋ねてくる糞関西弁に、ポケットから取り出したUSBを投げ渡した。


青色のそれは、今朝、目の前にいるこいつに渡されたもんだ。


そのUSBの中には、明日試合する恋が浜キューピットのデータが大量に入っていた。


今までの試合成績に、個人の能力データ、試合のビデオ。最近の練習風景と様々な内容である。


その膨大な量を、この短時間で調べ上げてしまった糞関西弁に興味がわいた。


「どうって・・・。」


キョロキョロと視線を漂わせる糞関西弁。


しかし、それもしばしの時間で、真っ直ぐ俺と視線を合わせていった。


「企業秘密や。」


「・・・あ!?」


待たせたあげくにその答えかよ。


ニコニコと笑みを浮かべた糞関西弁にため息をついた。


こういうやつは、これ以上何も言わないだろうと思ったからだ。


「だったら、質問を変える。・・・てめぇ、何もんだ」


「折原朔夜。身長160cm、体重48kg。血液型A型。
1年と半年前、東京で暮らすようになる。」


「それが?」


相変わらず表情を変えることなく、胡散臭い笑みを浮かべたままの糞関西弁に促されるまま、続ける。


「てめぇが東京に来る以前の記録が全くねえ。どれだけ深いところを探しても見つからなかった。
・・・もう一度聞く。てめぇ、何者だ?」


「フフッ。」


突然、笑いだした糞関西弁。


不審に思い見ていると、いきなり立ち上げって出口へと向かっていく。


「おい」


「明日の恋が浜キューピット戦。頑張りましょうね。ヒル魔先輩。」


ふわりと笑って部室から出ていった糞関西弁の後ろ姿を見つめながら、俺は口端を上げた。





最初は、ただ労働力が増えたと思っていただけだった。


だが、その労働力は予想以上に使える人材で、面白い人物だったのだ。


周りから悪魔のようだと言われている笑みとは、また違った笑みを浮かべている悪魔の姿を見た物は、誰もいない。




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