スケット集め02
微かに震えながら、上目使いで覗きこんでくる美少女を、二人は顔を赤くした。
「あ、あの。うち、アメフト部の試合に出てくれる人探しとったんやけど・・・。
ごめん。迷惑、やったやろか?」
「そんなことねぇよ!! な、佐竹!!」
「お、おう。試合って明日だよな。絶対行くから元気出して!!」
「本間か!?おおきに、佐竹君、山川君」
二人の言葉を、聞き顔を上げて満面の笑みを受けべる朔夜。
それに、再び顔を真っ赤に染あげた二人を尻目に、朔夜は早足でその場から立ち去って行った。
(二人ゲット!!)
先ほどまでの表情を一転させあくどい笑みを浮かべた朔夜は、この調子で後1人見つけてしまおうと次に見えてきた部室の扉に手をかけたのだった。
そんな一連の動作を、金髪の悪魔に見られていたことなど知らぬままに・・・。
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「やったー!!」
言い寄ってくる男たちから逃れて、ようやく部室へと戻って来ることができた朔夜は、部室の中から聞こえてきた声に首を傾げた。
一体なんだと思いながら扉をあければ、栗田とセナがヒル魔にどなられている姿が。
「・・・何やってんですか。」
そう声をかけながら、自分の名前が書かれた所にシールを張って行く。
全部で5枚のシールの張ったところで振り返ると、驚いた表情のセナがいた。
「朔夜、そんなにたくさん集めたの?」
「え・・・?そんなにって、部長のほうが多いやん。」
いいながら、ヒル魔の名前が書かれた所を見るとたくさんのシールが貼られている。
どんだけ集めたんだろ、この人。
「ヒル魔サンはなんていうか、うん。」
困ったように苦笑いを浮かべるセナ。
そんな彼に、朔夜も苦笑を返して、この日の部活は終了した。
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