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朝練03


手慣れた手つきで作り終えたドリンクをクーラーボックスに入れてグラウンドへと向かう。


するとなぜか栗田先輩を蹴っとる部長と、ラダードリルを眺めとるセナの姿が。


こいつら、練習しとったんやなかったんか。


「それは、ラダードリルっちゅうやで、セナ。」


クーラーボックスを傍らに置いて、セナに声をかける。


「ステップの練習してアメフトの動きを覚えるもんや。」


こうやるんやで。


といいながら、実際にやりながら説明すると、セナと交代する。


「こう・・・?」


慣れない足さばきでゆっくりとステップを踏むセナ。


こいつ、自分がアメフトの練習しとるって気づいとらんのかな。


「!!(ナチュラルに練習するところだった)」


お、気づいたか。


セナの表情はよく動くから、見ているだけでもすごくたのしいわぁ。


そんなうちらの姿に、部長が声をかけてきた。


「んじゃまぁ、ラダーから一通りやっか。新人もいることだしな。」


「ええええぇぇぇぇぇぇ!?」


部長の言葉に、絶叫を上げるセナ。


そんなセナを引きずりながら、部長がラダーへと向かう。


そんな泣きそうな顔で助けを求められても、うちは何もできひんで。セナ。


ヒラヒラと手を振ってやると、セナの表情が絶望に染まる。


そんな、セナを救ったのは首をゴキゴキ鳴らしとる栗田先輩やった。


「いや、待って。さすがに首痛いや。
僕はあと40ヤードダッシュでもやって終わりにしようかな」


「40ヤード走か。久しぶりだな。よし、測定してやらぁ。
糞関西弁、タイム測りやがれ!!」


ファッキン関西弁ってうちのことか?


栗田先輩の言葉に、部長がセナを開放してストップウォッチを投げてくる。


それをきちんと受け取って、部長の近くに立つ。


「40ヤード走って、普通どのくらいなの?」


「うーん。5秒台ちゃうの?」


隣で、問いかけてくるセナに曖昧に返事を返す。


中学までの知識しかないから、高校の平均なんか知らへんわ。





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あきゅろす。
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