朝練02
今日あったばかりのうちのことまで、心配するとは。
これがぞくに言う、姉御キャラっちゅうやつやな。
そんなまもり先輩に、セナが慌てて口を開く。
「大丈夫だよ、まもり姉ちゃん。選手じゃなくて主務としてだし
朔夜もマネージャーだから、アメフト自体はやらないんだよ。」
「いい?私、風紀委員だから、危ないことさせられそうになったら、私に言うのよ。
もちろん、朔夜ちゃんも」
選手じゃないと聞いて、ほっとするまもり先輩。
ちゅうか、セナ。
自分、選手させられそうなっとるやんけ。
まぁ、本人もしとうないみたいやし。
これだけ過保護な幼馴染に本間のこと話すのはあれやから、仕方ないんやろうけど。
「二人とも、だったらなんでこんな朝早く?」
「セナは運営の打ち合わせで、うちは仕事内容の確認なんですよ。」
セナはそれだけやないやろうけどなぁ。
まるで、悪魔のような笑みを浮かべる部長を思い出して、うちは楽しそうに会話をするセナの背中に手を合わせた。
-*-*-*-*-
案の定、セナはユニフォームに着替えさせられて朝練に参加させられそうになっていた。
紐で固定されて、グラウンドへと引っ張りだされている。
グラウンドには、いつからいたのか栗田先輩の姿があった。
何かを話している三人を尻目に、用意していたドリンク用の粉とペットボトルを取り出す。
あのゴミ溜めのような部室から容器を探すのも苦労しそうなので、朝はこれで代用しよう思うてもってきたんや。
手慣れた手つきで作り終えたドリンクをクーラーボックスに入れてグラウンドへと向かう。
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