朝練01
くぁーと出てくるあくびをかみ殺して、うちは学校への道筋をあるいていた。
昨日は夜遅くまで明日から行われる大会のデータ集めをしていたので、寝不足気味やわ。
まぁ、本来やったらこれは主務であるセナの仕事なんやけど、部長はセナを選手として使う気満々のようやったからうちがしてきたんやけど。
(あの人やったら、この程度のデータもう持ってるかもしれへんなぁ)
再びくぁーとあくびをすると、前方に見慣れた髪型が見えてきた。
「セーナ!!」
ダッとダッシュして小さな背中に抱きつく。
セナは、ビクッと肩を震わせたが後ろに居るんがうちやとわかると力を抜いてふわっとはにかんだ。
「おはよう。朔夜。」
「おはよーさん、セナ」
ニッコリほほ笑んで挨拶すると、セナの隣に人が居ることに気がついた。
「この、綺麗なお姉さんはどなたや?セナのこれか?」
ニヨニヨと笑いながら小指を立たせてセナに尋ねると、セナは真赤になって否定する。
そんなに慌てられると、こっちが困るんやけど。
「ち、違うよ!!まもり姉ちゃんとは幼馴染で!!」
「ハハ。すまんって、そんなあわてんなっちゅうの。んで、綺麗なお姉さん。お名前を教えていただけますか?」
セナの隣(綺麗なお姉さんとセナを離す感じ)に立って、ぽかんとしとるお姉さんに問いかける。
「私、2年の姉崎まもりよ。あなた、セナのお友達?」
おお、笑顔も綺麗や。
こういうのを、美少女っていうんやろうな。
「おん。セナと同じクラスの折原朔夜っていいます。朔夜って呼んでくれはりますか?」
「わかったわ、朔夜ちゃん。私のこともまもりでいいから。」
「それじゃあ、まもり先輩。よろしゅう。」
「それより、朔夜ちゃん。セナのこと止めてくれないかしら?」
今までの笑みを一転して、急に真剣な表情を浮かべたまもり先輩に首をかしげる。
セナの奴、なんかしよったんか?
「セナってば、アメフト部に入っちゃったの。アメフトなんてセナには危ないわよ。」
うーわ。
まもり先輩って、凄い心配性なんやなぁ。
それとも、幼馴染ってこういうもんか?
「あー・・・。うちもアメフト部なんすわ。」
「えー!!朔夜ちゃん、女の子なんだから危ないわよ!!」
すごい形相で詰め寄って来るまもり先輩に思わず冷や汗が流れる。
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