S 2-24 リーガルが案内できると言ったエクスフィア鉱山に着いた。 閉鎖された、という割にはしっかりと管理が行われているように見える。 「すっげー!ここか!閉鎖された鉱山ってのは!」 これで閉鎖されたのなら、シルヴァラントを見たらどうなることやら……。 「ひゃー、何か出そうだな!なあ?なあ?」 妙にゼロスがテンションが高い。 「あー!もう!あんた、少しはだまってられないのかい!」 そしていつもの通り、しいなが怒った。 「何だよ〜怒るなよ、しいな〜」 と、こちらは能天気なまま。 「……いかん」 リーガルがそれを見て声を漏らす。 「どうしたんだ、リーガル?」 「扉のガードシステムが暴走している。何者かが無理に侵入しようとして破壊したのだろう」 「だったらもっとこわしちゃおうぜ」 リーガルのことを知らないロイドはあっさりとそう言った。 「さっすがロイドくん!それ、わかりやすいぜ!」 ゼロスはリーガルのことを知っているはずなのに乗った。 「そうだな。あたしもそれでいいと思う」 「ロイドが言うなら私もそれでいいよ〜」 しいなとコレットまで。 「……ホントにいいの?ボク知らないよ」 「……もう!」 そう言いながらもすでに武器を手にしているセイジ姉弟。 僅かにリーガルが表情をゆがめるが、誰も気が付いていない。 その本人も圧倒的多数決に従うようだ。 自分たちに関係がないからとロイドたちはそれはもう遠慮のない壊し方。 ゼロスもリーガルに気を遣う素振りも見せずに容赦ない。 「えっと……ごめんなさい!」 これもプレセアの要の紋を作るため。 リーガルに向けそう言った後、リセリアもガードシステムに攻撃を叩きこむ。 さっさと欲しいものを見つけて作ってもらおう。 そう割り切った。 全力で蹴りを入れる。 「なんで剣を使わないのリセリアちゃん!?」 ゼロスがそう言うが、リセリアの足はガードシステムに綺麗にめり込んでいる。 機械の破片が足を傷つけるが、大したものではない。 ……と、本人は思っている。 「何してんだよー!!」 ゼロスがその傷を見て大声を上げているが気にせず足を抜く。 それが偶然にもこのシステムの中心だったようで、全く動かなくなった。 「あ。動かなくなった」 「……それが、システムの中心だ」 リーガルの声が沈んだ。 「足!そんなことよりもリセリアちゃん足!」 「よーし!奥に行こうぜ!」 見ていなかったようでロイドが言う。 そしてこの技術にリフィルが食いついた。 一歩足を踏み入れれば、鉱山と言われているのも納得の姿が現れる。 「この鉱山の機械は、ずいぶん頑丈なのね」 「ここは元々古代の採掘場だ。機械も、その当時のものを使っている」 その説明にリフィルがキレた。 「なんだと!!古代の遺産を保存するどころか浪費しているというのか!」 「ま、まあそのようなものだが」 「冒涜だ!こんなことがゆるされるわけがない!責任者を出せ、責任者を!」 「す、すまん」 責任者がたまらず謝った。 道中クレイアイドルに会ったり、侵入者対策をなんとかしたり……。 そんなことをしながら鉱山の奥にたどり着く。 「これが、抑制鉱石だ」 リーガルの言ったそれを見てみれば確かにそうだ。 「……本物だね」 「やったね、ロイド。これでプレセアを助けてあげられるね」 「ああ。あとはこいつを加工するだけだな」 「どれぐらいかかるのだ」 「正直言うと、きしひんと加工するのはドワーフでないとだめだ」 「前にリセリアができると言わなかったっけ?」 「あのねジーニアス、さすがに設備がないと無理だよ。どうせアルテスラさんに場所を借りないとできないんだから、やってもらったほうが正確だよ」 多分できるとしか言えない。 そもそも、細工自体をここ数年やっていない。 最後に触ったのもコレットの仮の要の紋のまじないの修正だけだ。 「でもこれにまじないを直接刻み込めば、それで要の紋の替わりにはなると思う」 「アルテスタさんの説得もできるかわかんないですし、応急処置としてそれでいいですか、リーガルさん」 「うむ」 「ちょっと待ってくれ」 ロイドが細工道具を取り出し、まじないを刻む込んだ。 本当に応急処置の簡易的なものだ。 コレットのものと同じ。 「……これでいいと思う。あとはプレセアが正気を取り戻したら、親父かアルテスタてドワーフにきちんとしたものを作ってもらおう」 「わかった。では、もどろうか。あの死臭に満ちた家にプレセアをおいておくのは忍びない」 「……」 「そうだな」 [*前へ][次へ#] |