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3-7



先ほど四象刃と戦った傷が残っているせいだろうか。

思ったように体は動かない面々。

特に、一切傷を癒さないままのリセリアでは到底ガイアスの攻撃を受け止めることなどできない。

受け流し、隙を見る。

けれども彼も戦いは慣れている。

隙など、見せてはくれない。

ガイアスの剣から出される衝撃波が地面を切りさく。

「たいした強さだ」

「お前たちも、さすがと言っておこう」

「……っ……」

剣が、血まみれになった。

服も、重いのは雨だけが原因ではないだろう。

地面にもぽたぽたと、水滴の落ちる音がする。

「だが!」

ガイアスの闘気は増すばかり。

「クルスニクの槍は必ず手に入れる!」

「ちょ、アレやばそうだよ!」

「ち……まだかよ……」

アルヴィンは何かを待っている。

この時に、助けにくる存在など考えられない。

けれども今は、

「あなたが精霊を殺す存在になるのなら……今ここで!」

彼に比べれば、弱い剣。

けれども、ガイアスに槍を渡すわけにはいかない。

「さらばだ!」「死んで!」

ぶつかり合おうというその時。

ガイアスへと投げられたのは、剣。

それを難なく弾く。

「何者だ!」

空には、ワイバーンの姿。

そしてそこから、何かが飛び降りた。

「そこまでだ!」

イバルだ。

「イバル?何故ここに……」

さすがのミラも唖然としている。

誰も、呼んでなどいないのに。

「ミラ様!本来のお力を取り戻し、その者を打倒してください!」

「まさか……槍を!」

手には、ミラが渡した鍵。

「貴様!」

ミラも呆れることしかできない。

これで四大精霊を取り戻せる、と確かならばこの行動は好ましいものだ。

「はははっ!どうだ偽物!お前との違いを見せつけてやる!」

イバルは鍵を、クルスニクの槍を発動させた。

槍が音を上げて動き出す。

捕えられているであろう四大が出てくる……ことはない。

嫌な予感しか、もうしない。

「どうだジュード!この俺が本物の巫女だっ!四大様のお力が、今よみがえる!」

最初は、僅かなものだった。

けれどもそれは急激に強くなっていく。

「う……ぐ……」

体からマナが、抜かれていく。

その場にいる全ての人間から、その意思とは無関係に。

「う……あぁ!」

その兵器に機能があったのかは、わからない。

けれども体のマナを、急激に吸われたのをリセリアは感じた。

耐えきれず、そのまま地面に座り込む。

「リセリア……ぐ……」

血が、喉の奥から出てくる。

ああ、また吐血したのかと頭は冷静だ。

そして、

槍はまばゆい光を、その光線を空へと放つ。

雲が割れ、空が砕けた。

「え?」

どうして、空が砕けるのだろうか。

まるで一瞬、時間が止まったかのように錯覚した。

「ぐ……」

強い風が吹く。

「どう、なったの……?」

「そんな……破られてしまった」

ミラから、絶望の声。

「そうか……そういうことだったのか!」

ミラは全てを理解したようだ。

「槍は兵器などではなかった」

「ミラ?」

「どういう、こと……?」

爆発した。

それは砕けた空から、いくつも振ってきている。

無差別に、いくつもいくつも。

爆発、炎、そして悲鳴。

さらに空には、

「なっ……!」

空を泳ぐ船。

「どういうことだ……!」

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あきゅろす。
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