06 魔王「はーいたかった。」 魔王「今日はよく人に会うなー」 『やめればいいのにー!』 まお「わかってんだよ。」 まお「こんなこと、意味なんてないことくらい」 勇者は、ゆうは小さい頃から人に好かれた 明るくて社交的で、ムードメーカーで。 ずっと側にいた俺に、劣等感を与えるには 十分の存在だった。 正反対に暗くて話し下手で、笑わない俺は あいつの側にいると周りの人から睨まれた。 『なんで一緒にいんの?』 『似合ってないんだよ』 『あたしたちがそばにいたいのに』 その時期ハマっていた漫画の主人公は人気者で 人々に愛されていて、まるであいつみたいで その主人公は、忌み嫌われている魔王を倒す 勇者だった。 人々に嫌われ、独りぼっちな魔王。 俺はそんな魔王が可哀想で、ずっと応援していた。 けれど魔王は―――――。 [←][→] [戻る] |