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テンション急上昇!
ひとりではすはす妄想してると、俺の携帯が鳴った。
某笑顔動画サイトの某歌い手による某、暴走曲が、
俺の鼻息以外聞こえていない部屋に大音量で鳴り響いた。

それで我に返ってくれたカガ。
五月蠅かったけど、役に立ったよ、俺の着メロ。


「カガ、今からでも学校行きたいんだけど、」
「あ?……俺も行くから少し待ってろ」

へいよー
そう答えてから玄関で靴を履き替えて携帯を開いた。

あ、神藤兄さんからだ。

神の藤で、カンドウ。
兄さんは俺が勝手につけた。

「え!?」

本文を読んでつい声を漏らしてしまった。
しかも意外と大きかったし。

でも、久々の新刊なんて聞いたら、声を漏らさないわけがない!
だって、神藤兄さんの、新刊だよ?
俺が愛読してるあのシリーズの、新刊だよ?


テンションが上がらないわけがない!!



神藤兄さんは俺の幼なじみであり、俺の師匠だ。
俺に腐の全てを教え込んだ無敵の兄さん。

そんな兄さんは実は小説家だったりする。
甘くて濃い、どろどっろの小説を書いてたりする。

先が読めない展開、怖くてやめてしまいたくなるけど止められない中毒性。
そんな小説。
兄さんは、本当に誇らしい無敵の兄さんだ。


ちなみに、兄さんは小説を誰よりも早く俺に読ませてくれる。
そう、編集の人よりも早く。
出来立てほやほやの原稿を読ませてくれるのだ!!

あぁ、でも。
これからはもうそれが出来ないんだ……
誰よりも早く兄さんの本を読むことは、出来ないんだ……

くそお!
俺のバカ!!

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