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不良は美形で、美形な不良で


「……大丈夫か?」



金髪の美形が優しい声音で俺に訪ねた。

……嗚呼、イケメンだぁ……



「全然、オールマイティです」

ちょっと意味は分かんないけどそう言っとけば

オールマイティだよね!


けど、そう笑った俺の視界が歪んだ。
せっかくの美形の顔が全然見えん!!

頬に感じる生温さ。
涙…?
俺、泣いてる?

え、ちょ、恥ずかしっ!!

乱暴に涙を拭えば視界が鮮明に映ってきて、
凄く驚いた顔してる美形を見つけた。

本気で恥ずかしい!!
男子高校生、どうした!!

顔が赤くなっているのを感じながら顔を隠した。

それと同時に背景に違和感。

……あれれ。
俺、また寝てる?

でも、寝てた記憶はないし……
と、いうかさっき頭が痛くなって、意識を飛ばした気が……
と言うことは、ここはベッドの上?

起きあがるという行為をして横に立ってる美形を見ないように。
場所を確認した。

やっぱり、部屋。
昨日からの俺の部屋。

なんだか、ゴージャスな部屋を想像してたんだけど、
ま、当り前か。
ここ寮だし。
一応勉強する学校の寮だし。
って、学校?


「がくこう!?」

スパン!と立ち上がってそう叫べば、美形……いや、カガだっけ。
が、そうだ、と呟いた。

「え?」
「お前、転校生なんだってな?悪かったな、さっきは怒鳴ったりして。」
「あ、はぁ。いや、……はぁ。」
「なんだお前」

ちょっと、モロ不良って感じの人が素直に謝るとこ見たの初めてだから戸惑っちゃったよ!
てか、こんな俺に謝って良いの!?
不良としてどうよ!?

俺の困惑した返事に笑ってるカガにそう言いたい。
そう言いたいんだけど、そんな一言で俺は命を捨てる気はない!
まだ死にたくなんてありません!!

じゃ、なくて!
「今、何時ですか?」
「あ?…あぁ、9時過ぎじゃね?」

焦る様子もなく、あ?付きでそう言ったカガ。


やっぱり、不良なんですね!

いや、不良じゃないと困るけども!!
なんでって!平凡×不良は大好物だからさ!


あーあ。遅刻〜う


俺は心の底から願おうぞ。

担任がホスト教師じゃなくてゆるーい草食系美人教師であることを。

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