贈する想いは 【clap】弍:120117迄。 隠れたる半身は、自らへの偽りの部分か。 上弦の月が見せる顔はどちらか。 表の顔か、裏の顔か。 素か、偽りか、取り繕いか、無か。 天空に掲げられし月の光はやわらかく。 欠けた事さえも感じさせぬ程に。 冴えざえたる面持ちでそこに在った。 神田が側に戻るのは、次の満月。 この見えざる部分が暴かれた時。 会いたくて、ひた隠しにする今の気持ちを。 晒け出すのは、この月が満ちる時。 その時に、自らの気持ちも体も満たされる。 待ちわびるは、月か、自分か、…彼か。 己(オノ)が欠け、また満たされるのを待つ月と。 愛する者を待ち、また満たされる己(オノ)と。 どちらが早く、満たされるのであろうか。 空に掛かる静かなる上弦の月を。 アレンはもう一度、仰ぎ見るのであった。 [*前へ][次へ#] [戻る] |