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ふざけ倒す渉の言葉を遮るように、再び猛威を奮った高寛の平手打ち。
が、
「――…っと」
「っ…!!」
今度はヒット寸前で渉の大きな手が掴み止めた。
「こんな細腕かて、二回もくらったら大ダメージやわ」
高寛の細い手首を掴んだまま、悪戯っぽく笑ってみせる渉。
初めて触れたその体温は、高寛の想像以上に熱く、その握力は思っていた以上に強かった。
バレーボールを片手で軽々と掴む大きな手の平。
「……っ…放してっ…!」
焦った高寛がその手を振り払おうとした瞬間、
「!?」
身体ごと強い力に引き寄せられた。
「っ…――――」
そして、あっさりと奪われた――キス。
「――……」
「…おかえしや」
茫然としている高寛のすぐ目の前で、その唇はニヤリと不敵に笑った。
「………」
思考停止――否、心停止。
バチンッッ!!
再び、平手打ちがクリーンヒット。
「――って〜…油断してもうた〜。ジブン、たいがい過激やなぁ!?」
「………」
「……あ…?」
本気で黙り込んだ高寛に、渉はハッと息を止めた。
「…………」
怒りというよりは、寧ろ…痛み。
「あ………えと…」
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