: 悠の黒い瞳がいつになく真顔に見えて、真咲は何を言っていいかわからなくなった。 「……」 「真咲…」 甘い囁きと共に、悠の指先が真咲の頬を滑り落ちて開いたシャツの入口に触れる。 「ぁ……」 真咲が真っ赤になって、引き留めるようにその手首を握り締めると、 「…ん―――…っ…」 再び、甘い舌先が唇を塞ぐ。 「――…真、柴…っ…」 寡黙な悠の手が、すっとシャツの間へと滑り込む。 そして、ゆっくりと指先で探し当てるように真咲の胸の突起に触れた。 「んっ…!」 瞬間、身体中にビリッと電気が走って、真咲はビクッと肩を竦めた。 「……あ………オレ…」 自分でも驚くほどの甘い声が口をついて出て、真咲は慌てて真っ赤になって自分の口を塞いだ。 「ん?…聞かせて…」 その手を優しく絡め取る悠の瞳は、初めて見る甘い男の顔だった。 「…っ………ま」 真咲はもう限界だった。 「待て、待て待て待てっ!ムリムリムリムリっ!ダメだっっ!!マジ…ごめっ…」 悠の肩を精一杯の力で押し返すと、真咲は早口にそう吐き捨ててダッシュで自室に飛び込んだ。 「……あ…」 悠は一人まんまと取り残された。 「早まった?…俺」 [*前へ][次へ#] [戻る] |