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「気分はどうや?」


昼休みの屋上――


頭上から聞こえた渉の声に、望はハッとして顔を上げた。


「大丈夫」

「…何かあったん?」

「ううん、ごめん」


望は膝を抱えたまま、また俯いて力なく首を振った。

渉は暫く黙って望を見下ろしていたが、小さく溜め息をつくと、


「食うか?」


ドカッと望の隣に腰を降ろし、メロンパンを差し出した。


「……ありがと」

「腹が減っては戦はできぬや」


大人しくメロンパンを噛じる望を見て満足そうににっこりと笑うと、渉もメロンパンを噛じった。


「…ごめんね、渉」


望は小さく呟いた。

古賀のこととなるとすぐ、周りが見えなくなってしまう。

只の我儘な子供だ。


「謝るっちゅーことは、只の八つ当たりなんか?」

「え……あー…」


渉の射抜くような視線に、望は困ったように言葉を濁した。


「や…俺、何やあかんこと言うたかなて」

「ううん。オレが、勝手に暴走しただけ」

「ほんならええねんけど」


渉はまたメロンパンを噛じった。

望も、その隣で同じくメロンパンを噛じった。


「……ダメだね」

「なん?」

「オレ…ホント、先生のこと、好き」




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