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攘夷ばっかり
攘夷時代病み銀





「……………っ………銀時!?」







灰色の空と廃墟の騒音。降りしきる豪雨の音が正常な感覚を鈍らせる。負けじと轟く砲弾の音。耳をつんざく仲間の絶叫。


雨に交じり宙を舞う血の飛沫の向こうに、追い詰められた男が一人。















「テメェ……ッ…何してやがる銀時!!!!早く反撃しろ!!!!」











信じられない光景に、仲間達も焦燥の叫びを上げる。

夜叉と謳われる程の男が、天人に首を絞められ木に叩きつけられていた。




今すぐ加勢に向かおうとする仲間達だが、状況がそれを許さない。
不利な戦況、四方八方から襲ってくる天人が容赦なく行く手を阻む。鋭い鉄の、刃と刃がぶつかり合う音が苛立ちを募らせた。













「銀時!!聞こえちょるか!?!?銀時!!!!!!」














三人の注意を散漫させている当の本人は、微動だにしない。水分を吸い込んだ木の幹が軋むほど、体を押しつけられている。

天人の巨大な掌が首を絞めつけ続けているにもかかわらず、銀髪の男は反撃はもとより動く気配すら見せない。右手に掴んだ刀を手放す。湿った地面に転がった刀を天人の足が踏み潰した。

天人の掌に無数に存在する突起が首に食い込みさらに気管を圧迫する。さすがに堪えきれず小さく呻いた。


















「………………天下の白夜叉も、同志を護ることすら出来んのだな」
















笑みを浮かべ、銀髪の首を絞めている力をさらに強めながら不気味な声で囁く天人。血に塗れた牙が見え隠れする。

天人のもう片手には、日本刀より二回りも巨大な剣を携えている。ゆっくりと、後ろに引いた。狙いは勿論、目の前の銀髪。





だが銀髪は抵抗しようとしない。むしろ体重を天人に預け、自分の足で立つことをやめた。今銀髪を支えているのは、首を絞めている天人の手。

力なく垂らした両腕は血と泥塗れ。激しさを増す豪雨に紛れている仲間達の叫びは、この男の耳に届いているのだろうか。




天人に何とも悪辣な言葉を吐かれたが、何と銀髪も笑みを浮かべ。

















「銀時!!刀を拾え!!!!銀時!!!!!!!!!!」








地を打つ激しい雨粒の音に混じる、








「勝手な真似は許さんぜよ!!!!刀をとるんじゃ!!!!!!!!」








必死の仲間達の叱咤にも、








「テメェふざけんじゃねェ!!!!戦え銀時!!!!!!!!!!」








ただ笑みを返すことしかせずに










「…………………精々悔やむがいい、あの世で」









降り下ろされた剣と共に、呟いた。
























「…………………………殺ってくれ、」










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突発的に書きたくなりました。
病んで微笑むシチュが大好きです

09.10.26



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あきゅろす。
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