攘夷ばっかり シリアス攘夷後編 「アッハッハッハヅラ見ちょったかあの金時のカオ!!カオ!!」 「ああ見てたさ見てたに決まっておろう…!!あの電話でのテンパっぷり!!ぶわっはっはっは」 「天パだけになァ」 「上手くねーんだよォォォォ!!!!!!何なのお前らホント何なの!!!!!?!?!?!?」 「まさか銀時今日が嘘強化デーということを知らなかったのではあるまいな」 「そうじゃのぉ!!!!大の大人が本気で騙されるはずないに決まっちょる!!」 「…クククそれにしちゃ見事に怯えてたがなァ、今後会ったらぶった斬るんじゃなかったのか?」 「もうお前らうっぜええええ頼むから消えろよォォ消えてくれよォォォ!!!!!!」 自分達の迫真の演技への満足感と銀時を完璧に騙せたことで、3人のテンションは手のつけようがないほどになっている。 銀時は銀時で、騙された恥ずかしさと3人への怒りでいつもの10倍は喋っている。 辰馬が持ってきた酒の助けもありテンションに拍車をかける。 「だってよアレ血!!血!!リアルすぎじゃね!?」 「最近の血糊をなめちゃいけねェぞ…匂いまで再現してやがる…お前俺がどんだけ臭い思いして演技したかわかってんのか土下座して謝りやがれ」 「ふっざけんなァァ馬鹿杉!!!!何で俺がお前に謝んなきゃなんないわけ!?」 「ジャイアニズムだ」 「こんな凶悪なジャイアンいねーよ!!」 ちゃっかり万事屋の風呂を借りてさっぱりした高杉はいつになく爽やかだ。 もう空の瓶が7本も転がっている。大分皆酔ってきた。呂律も少し怪しい。 「いやしっかし金時動揺しとったのぉ」 「あたりめーだろビビるに決まってんじゃねーか」 「もしや心配してくれたのかてめェ」 「んなわけねーだろ馬鹿杉はドブにでも落ちてろ」 「こう見えて銀時はナイーブだからな、弱酸性のビオレを使用せねばなるまい」 「お前は一度漂白してもらえ」 酒が大分回ったのか、いつも通りなのか、謎な桂の発言に一同が笑う。 すると何かを思いついたのか、高杉が悪どい笑みを浮かべ桂をつつく。 「…おいヅラァ、10円ハゲできてんぞ」 「ノォォォォ!!!!!!!!!!」 顔を真っ青にした桂がムンクさながらの表情を浮かべて天井に突き刺さる。 人ん家壊してんじゃねェェェ!!と銀時はシャウトするが爆笑している。辰馬と高杉は言わずもがなだ。 するとユラリと復活した桂が辰馬に呟く。 「…おりょう殿、今春結婚だそうだ」 「ノォォォォ!!!!!!!!!!」 笑顔のまま涙を流し床に顔を突っ伏し穴を開ける。 弁償しろよォォォォ!!!!という怒声も聞こえるが部屋を満たすのは笑い声。散らばる瓶の数も着々と増え混沌としてきた。 復活した辰馬が高杉に呟く。 「…実はサンタさんっていないんじゃ…」 「……ゴフッ」 含んでいた酒を思わず吹き出し少なからずショックを受けている様子だ。 貴様サンタなんて信じていたのか、実際にいるのはマリオだ!なんて声も聞こえたがそれにすら同意者が出るほどだ。 気持ちの良い石鹸の香りを纏いながら銀時に近づく高杉。 「…万事屋の風呂に貞子がいたぜェ」 「あわっあぶすあばばばばんなわけねーだろォォ!!!!!!」 ドスの聞いた声のせいでまるで本当のように聞こえる。桂が髪を前に持ってきて貞子の真似をし始め笑いが止まらない。 「悔しかったら仕返ししてみろバーガー」 「バーカじゃよ高杉!どんだけ酔っとるんじゃアッハッハッハ」 「ヅラじゃない貞子だ」 「上等だコノヤロォォ!!!!!!」 瓶を片手に仁王立ちした銀時が大声で叫ぶ。 「てめーらもう帰りやがれ!!!!家壊すわ散らかすわホンット瞬時に帰ってほしいわ!!!!」 大騒ぎしていた部屋が静まり返る。 最初はポカーンとしていた3人。 だが、今日は何の日だ? 顔を見合わせた4人はニヤリと笑みを浮かべた。 「上等だァ今すぐジェット機で帰ってやるよ」 「わしなんて宇宙船に帰って高速で太陽まで行っちゃる」 「俺は寝台特急で帰る」 「随分まったりじゃねーかてめー!!」 またどっと笑いが起きる。 次々と栓を開けられていく瓶。下品な笑い声。散らかる塵屑。 指名手配の攘夷志士が2人もいるとは思えない快活な雰囲気だ。 ぶった斬る、なんて言ったかもしれない。でもそんなの今日は忘れた。 大体こいつらとの付き合い自体年中だまくらかし合いだ。何が本当かなんてわからない、でも。 決して美しいとは言えないが、変わらない絆がここにある。 --------------------- 騙せたかなどうかなどうかな^^^^ エイプリルフールってもしかして こいつらにとって一番祭かもとか妄想してました いつまでもだまくらかしあえばいいさこいつら でも時々は素直になろうね!もう! 2009.4.1 [*前へ][次へ#] |