4 大きく声を上げる明日菜だが、そこに小さな影が一つ降りた 「お待たせしました、のどかさん」 「ぎゃあネギ!?」 二人の前に現れたのはあのネギだ キスをする為だけに動いているネギの尋常ならざる雰囲気に二人は完全にパニックに陥った 「魔法の射手・戒めの風矢」 天から届いた声がのどかに迫ってくるネギを退けた、風矢が飛んできた方向である屋根を明日菜が見れば、そこには先ほどネギ達を追いかけていた金髪と紅色の髪の少女がいた 「ミイラ取りがミイラとは…情けないですよ、ネギ先生」 金髪の少女、高音・D・グッドマンは口元に含みのある笑いを持って屋根から飛び降り、紅色の髪と箒を持つ佐倉愛衣も続いて降りた 高音は空と床から人型の影を何体も召喚した 「昨日は遅れを取りましたが、今日はそうはいきません、少々手荒に…」 高音が言い終わる前にネギはニヤリと不気味な笑みを浮かべる 次の瞬間には高音と愛衣の隣に現れて影の従者を殴り飛ばした 「「えっ…?」」 高音が影に命令を出すまでは人形のように動かない彼等をネギは次々と殴り飛ばしてしまう、そして、地面から浮いた従者達を無詠唱で唱えた風の魔法であっという間にどこかへやってしまった 「なっ、えっ…」 高音達に驚く暇は与えられなかった ネギは取り出した小さな杖を発動体にして武装解除の魔法を唱える 「「キャアァァァッ!!」」 障壁で緩和する間もなく、彼女等の服は消し飛ばされ、白い裸体が露わとされてしまった 武装解除の強風で巻き起こった砂埃の外の明日菜達だが、砂埃の中から見えた影が少しずつ近づいてくる 「うふふふ……のどかさんーー…」 「キ、キス・ターミネーターだーーーッ!!!!」 頭に乗った下着を払い落とすこともせずにネギは足を踏み込んで、その距離を縮めんと飛び出した 「ひぃッ!!」 思わず目を瞑ってしまった二人だが、その耳に聞こえたのは何かが吹き飛んだ音だった 「えっ…?」 瞑った目を開いた二人の目にネギの姿は見えなかった、探すと、近くに山のようになっているテーブルの群れの中から足が見えていた 何者かが彼を吹き飛ばしたのだ その何者かの正体は最前までネギが立っていた場所にいた そいつは…頭を抱えて呟いた 「眠ぃ……」 [前へ][次へ] |