[携帯モード] [URL送信]

企画部屋
すれ違うのは、…だからです。(BLEACH・ノイトラ/37子様)
※お相手はノイトラ様です。お題文字は「す」とさせて頂きました。(37子様よりリクエスト頂戴させて頂きました、本当に有難うございますっ!!)

※主人公ちゃんは破面でございます、No.なしで元調査員、現在は一応ノイトラ様の従属官という設定にさせて頂いております。
…そもそも調査員とか居るのか怪しいので大変申し訳ない限りなのですが…涙。(この駄井澤め…。)

※その他容姿設定等はございませんので、皆々様にて素敵可愛い子にして頂けましたら大変嬉しい限りですっ!!(歓喜)

※今回も残念感が前書きから滲みに滲み出ておりまして大変申し訳ない限りではございますが、、もし上記諸々、ご承諾頂けます皆々様がいらっしゃいましたら、お読み頂けましたら幸いの限りでございます。(陳謝)


*****


『あーくそっ!!
これじゃあキリが無えよ!あんたもちょっとは戦えよな!!』

『はっはい、解りました…!』


調査を兼ねての虚駆除任務で、調査員としてハリベル様達とご一緒して、アパッチ様に怒られて。



『貴女、本当に使えませんわね…。
非戦闘員と言っても程があるでしょう?』

『も、申し訳ございません…。』

そしてすぐにスンスン様に溜息も吐かれてしまって。




…本当に、私は弱くてどうしようもない。

元々能力が感知タイプで、戦闘には向いていない。
それでも、ノイトラ様の従属官となってからは…どうにかお力になりたいと頑張ってみてはいるのだけれど、戦闘力は全くと言っていい位に上がらない。



(…お許しも頂かずに出てきたしまったし、余計にノイトラ様に申し訳がなくなってしまう…。)



―偶然、ノイトラ様がいらっしゃらない時にこの任務のお話が来てしまった。
調査員を探している、とハリベル様が直々に見えられて…すぐにご出立だ、と。


一破面に過ぎない私が、ハリベル様からのご依頼を無下にできる訳もなくて、


ノイトラ様

申し訳ございません、ハリベル様達と任務に行って参ります。


とだけメモを残して、出て来てしまったのだ。



『―おなまえ、気にするな。
急な任務だったしな、来てくれただけで助かっている。』

自分の不甲斐無さに打ちひしがれている中で、ハリベル様がそう優しいお言葉を掛けてくださるのが、
気を遣って頂いてしまっているのが……辛くて。

『申し訳ございません…。』

そうお詫び申し上げる事しかできない自分が、また辛くて。



…結局、調査以外では何もお手伝い出来なかった。






そしてもう一つの杞憂。


慣れない戦闘へ少しながら参加した事もあって、
疲れが広がる身体だったけれど…それでも鞭を打って、ノイトラ様の宮へと急ぐ。


(……ノイトラ様、怒っていらっしゃるかな…。)


ううん、怒ってくださっているならそれでいい。

でも勝手な事をする従属官なんて、要らないと言われてしまうかもしれない……。
だって私は、ノイトラ様のご命令を忠実に守る位しか出来ないのだから。



もし、もしまだお帰りになられていなければ…。


なんて期待してしまう浅ましい自分までも情けない。

だからその罰のように、
戻った宮のソファーにはノイトラ様のお姿がしっかり見えて、
その上テスラ様は居なかった。



私が帰った事には気付いていらっしゃるのだろうけれど、もちろん出迎えてくださるような事はない。


『…戻り、ました…。』

恐る恐るお声を掛けて、
申し訳ございませんでした…!と謝る前に、

「チッ、遅かったじゃねえか。」

…何してたんだよ?、とノイトラ様が不機嫌そうに尋ねてこられる。



怒ってくださってる。
良かった……。


『あっ…はい、申し訳ございません!
あの、虚の霊圧調査を…。』

少しお手伝いに、と答えれば、

「…駆除任務だったんじゃねえのか?」

くるっと私の方を向かれて、声で想像していたよりも、もっとむすっとされたお顔が見える。

(どうして…知ってらっしゃるんだろう?)

とは思ったものの、これは相当に不機嫌だ、という事が解って、きちんと説明をする。

『えと、はい…初めは駆除だけだったそうなのですが…。
あまりにも虚の発生数が多いので、調査を兼ねての任務になったとお伺い致しました。』

フン、それでついてったのかよ、と少しだけぶっきらぼうに。

ご納得頂けたような、まだご納得頂けないような、微妙なご返事。
それでもせめて、調査に関る任務だった事だけは解って頂きたくて、

『はい、調査以外では…何もお役に立てませんので…。』

言葉にすると余計に…さっきの不甲斐無さを思い出すようで…
ちょっと落ち込みながらもそう答えれば、

「ハッ!そりゃそーだ、てめえ一人で何ができるっていうんだよ?
その調査だって、てめえ一人じゃ行けねえじゃねえか。」

不機嫌さすら一瞬で吹き飛んだというように、けたけたと笑われて。



てめえは一人じゃ何もできねえんだよ、と。



いつもの、ノイトラ様の……軽口。

でもその通りで、よく言われ慣れた台詞…のはずだった。






だけど、

疲れていた身体と弱っていた心にはざっくりと。

杭が打たれるような痛みが広がって。

図星を突かれて、止めが刺された。


『…っ……そう…です、よねっ…。
私、本当にっ…何も、できな……っ……失礼…しますっ…!』

どうしてか、涙が溢れてきてしまって、居た堪れなくて。
そのままノイトラ様の宮から飛び出してしまう。


「……おなまえッ!!」

微かに、私を呼んでくださるノイトラ様のお声が聞こえたような気がしたけれど、
呼び止めて頂いたところで、私が何もできないのは変わらなくて。


…怖くて、足を止められなかった。



――



初めてお逢いしたのは、長期任務の時だった。



「おなまえ、今日は任務に行ってもらうよ。
最近、虚夜宮の周辺で大量の大虚が出ていてね、その発生元が何処か調べて貰いたいんだ。」

『はい、畏まりました。』

悠然と微笑まれる藍染様のご命令を、喜ぶならまだしも、抗う選択肢なんて私には元から無い。

「それで…危険な任務になるからね、ノイトラと一緒に行くといい。」

ノイトラ、と藍染様に呼ばれれば、面白くないというお顔を隠さずに応じられる。


ここまで堂々とお顔に出されるとは。
十刃の中でも…とても自由な方だな、と思う。
それも実力があるからこそ、なのかもしれない。

ゆっくり私の前へと立たれた彼に、

『よろしくお願い致します。』

身体を90度に倒し、最上の丁寧を心掛けてご挨拶をする。

何といっても命を預けさせて頂くのだ。
決して失礼の無いように、としたつもりだったけれど、

「……。」

一段と低く身を折る私を、高く見下ろされて構わずに。
言葉一つも頂けないまま、カツカツと、置いて行かれる音だけが残された。


(……えっ…?)


『…っ!
藍染様、行って参ります!』

「ああ、行っておいで。」

慌ててバッと身を起こして、藍染様に一度深くお辞儀をしてから…もう部屋を出て行こうとしている彼の背中を追った。


――


虚夜宮の中は無言で過ぎていく。

何がいけなかったのか、と考えたけれども…思い当たるところがさすがになくて。

おそらく、この任務自体がお嫌なのだろう…。
そういう結論に至った。


(…なるべく、ご気分を害さないように気を付けないと。)


何も伺えない後姿を見上げて、改めてそう心掛ける。


ただ…。
元々戦闘要員ではない私が、中でも戦闘に特化されたノイトラ様とご一緒させて頂くのは、至極自然な事だったけれど…
従属官でいらっしゃるテスラ様が居ない事が、少し不思議だった。

言葉にしては出過ぎだろうか、とは思ったものの、
もし捜されていらっしゃるのだったら、手分けをした方が早いかな…とも思ってしまって、

『…あの、テスラ様はご同行なされないのですか?』

「ハッ!足手纏いだからな、置いてきた。
何せ、てめえみてぇなガキのお守もしなきゃなんねえしな?」

そう答えながら、初めて私の方を見てくださる。
少しニヤニヤと、からかわれるような表情をされていて…


同時に少し…私が思っていたよりも、不機嫌ではいらっしゃらないような印象を受けた。



『…そうですね、ご同行頂いてしまって申し訳ございません。』

もう一度、よろしくお願い致します、と。
ノイトラ様を見て言えば、チッと一つ、舌打ちを返されてしまう。



……もう、ご気分を害してしまった。

せっかく、あまり不機嫌ではいらっしゃらなさそうだったのに…。



そう思って内心で焦っていれば、

「…オイ、おなまえっつったか?

一つだけ言っといてやる、俺の前には絶対に立つな。
死にたくなかったら俺の後ろに居ろ、目障りだしな。」

少し険しい顔をされて、ご忠告が落とされる。



…それは、顔も見たくない、という事ですか?



とは聞けないものの、とにかく予想以上に怒らせてしまったよう。


(これはせめて…ずっと、きちんと、後ろに居るようにしなければ…。)


――


ノイトラ様にご指示頂いたように、虚夜宮を出てからはずっと後ろに。
彼の視界には入らないように、それを第一にと気を配った。



そして2日程度経った頃、ようやく大虚発生の波が一時止んで…食事の時間を取る事が出来た。


もちろんこの時も、
ノイトラ様の視界に入らないように。
と彼の背後で背中合わせの形で座っていたのだけど、

「……オイ、てめえは馬鹿か?
俺が飯喰ってる時まで後ろに居てどうすんだよ。
…それじゃ襲われる前に助けてなんかやれねェからな。」

まぁ俺の知った事じゃねえが、と最後に付足される。


一切こちらを向いてはくださらないけれど、大きな声で。
私にちゃんと聞こえるように言ってくださっている事が、よく解る。


……意外に、お優しいな。


と…一瞬思ったけれど、私が帰らないと調査報告も出来ないし、藍染様にも怒られてしまうから、当然といえば当然な事か、と思い直す。


『……あの、前に行っても…よろしいのですか?』

それでも、一応と許可を求めれば、ジロリと少し睨まれて。

「……俺は前に立つなって言ったんだ。
後はてめえで考えろ。」


…では、腰を下ろしていれば、いいのですか?


まさかそんな理屈なんだろうか?

それはただの屁理屈のような気がしたけれど…
彼の前へと回って、すぐにすとん、と腰を下ろしてみれば、

「………。」

特に、お咎めは…なし。



……思えばこの2日間だって、ノイトラ様はしっかり私を守ってくださっていた。
任務だからしょうがないのかもしれないけれど、それでも気に掛けて頂けているのが少し嬉しい。

『…ノイトラ様、有難うございます。』

思わず微笑ってお礼を言えば、またチッ、と舌打ちを返されてしまう。

でも……正面からやっとノイトラ様のお顔が見られて、
どうやら本当に怒っていらっしゃるわけではなさそうだ、と知れた事がまた嬉しかった。



―それからは…食事の時間はもちろん、それ以外でも会話をしてくださるようになって。
私はそれが楽しくて…だけど、この任務が終わってしまったら、もう言葉を交わす事もないんだろうと思うと、寂しかった。




だから、
任務の最終日、虚夜宮へ戻る途中、


「…なァ、おなまえ。

てめえ確か藍染付じゃねえんだよなァ?
……だったら、俺の従属官にしてやるよ。」


そういつものように、口端をニヤリと上げられて。
言って頂けた時は…すごく、嬉しかった。



―――


でも今は…どうしてそう言って頂けたのか、本当に解らなくて。


……そもそも、私はノイトラ様の何なのか。

従属官、だけど…従属官らしい事の一つもできない。


それ以前に、従属官なら…テスラ様が居れば十分だったはずだから。

きっと…私が戻らなくても……。


そうすんなりと思えてしまう事が悲しくて、自分がいかに無力かが身に沁みていく。


宛てもなく歩いていれば、急に視界に光が射す。
大きく開けられた壁…は、虚夜宮の入口。


(…このまま、外に出れば……。)


私は…すぐに、虚達の餌食になるだろう。





…………でも、それでも……いいかもしれない。








ふらっと、外へと踏み出していく。

右足が砂の感触に触れる。

そして左足も―






―と、左足が砂上へ着く前に、
ぐいっと、痛い位に腕を引かれて、
身体がぐらりと、また虚夜宮へと引き入れられてしまう。


「……おなまえッ!!てめえ、何してやがるッ!?」

ギリ、と尚に力を入れて。


目で、声で、言葉で、私を咎めるのは…彼だった。




『…ノイトラ…様……。』

半ば放心状態だった私は、彼が怒っている理由が解らなくて、ただ見返すばかり。

それでも呆然と、反応すら示せない内に、

「……てめえ…一人で外に出るって意味、解ってやったのか…?」

どうなんだよ…!?

そう更に強く、強く…
このまま握り潰されてしまうのかと錯覚する程、強く腕を捕まれて。




……その鋭い痛みで、ノイトラ様の、表情で。








やっと…恐怖が、目を覚ました。




次第に、肩が震え出して、枯れたと思っていた涙がまた流れ始める。

『…ぁ……ご、め……なさ…ぃ…。』


…せっかく、せっかくノイトラ様が、守ってくださったのに。


私はそれを…投げ出そうと、してしまったんだ…。







その事に気付いて、ごめんなさい、と何度も言いながら、堰を切って泣き始めてしまう。


こんな…泣いたりなんて、したら、ノイトラ様はもっと…もっと、怒ってしまうだろうと解っていても。

ぐしゃぐしゃと、涙が止まらなくて。





なのにそんな私を…
不思議な事に、ノイトラ様は優しく…抱き締めて、くださって。

一気に……どうしようもなかった涙が、止まる。





あまりの事に…想像だに出来ない事に驚いて、声も上げられないままに、
どんどん、抱き締められる力が強められていく。


でも少し苦しくなってきた頃には、

「……ッ…大体なァ!勝手に一人でどっか行くんじゃねえ!!
今日みてェにいつでも俺が探してやると思ったら大間違いなんだよ!!」

お咎めがまた、始まる。
言葉一つ一つを発される毎に、強まる腕がまた私を責めているようなのに…すごく、温かい。

「ッてめえ一人で何ができるってんだ!?
任務なんか余計無理に決まってんだろうがッ!!!
俺が居ねェ時に、そんなもん受けてんじゃねぇッ!!」


……こんなに、こんなにも怒っていらっしゃるノイトラ様も、初めてで。

驚いて、驚いて。

……少し、嬉しくて。
なんだか、微笑ってしまう。



そして彼の言葉が途切れるのを待って、

『…ごめん、なさい…。』

少しだけ、ほんの少しだけ、彼の方へ身を倒して。
許しを乞うように、甘えるようにして。



心から…そう、謝る。



「……。」

私がきちんと謝れば…無言だったけれど、彼の腕が緩まっていく。
それが許して頂けたようだと、勝手に思ってしまう。



…でももう一度だけ、ぎゅっと強く力を込めて抱き締め直されて、

「………ずっとてめえが後ろに居やがったから…居ねえと何か落ち着かねえんだよ…。」

さっきまでとは変わって…急に、小さく、零されるように。

どこかいつものような…覇気のない、声で。



しかも私を…必要だと、言ってくださっているような……?



そんな、まさかの内容に…思わず、顔を上げて彼を見る。

『…あ、の…ノイトラ様?』

聞き間違いかと思って、ぐっと覗き込むように見仰いでみれば……あからさまに顔を背けられて。

ぱっと回されていた腕も外されてしまう。

「…チッ、もう二度と言わねェからな!!
解ったら黙ってさっさと付いて来い、この馬鹿がッ!!」

そしてくるりと背中を向けて、颯爽と、カツカツと。
言われる間も、私を置いていかんというスピードで歩いて行ってしまわれる。



…その見慣れた背中に、どこか安心して、

『…はいっ!』

と、先を歩く彼にも聞こえるように、大きく大きく返して。

やっぱりお役には立てないかもしれないけれど、
また彼の背中を追う事はできるから。


だから、今後もしっかり、彼の後ろに居ようと心に決める。







*****

ちょこっとおまけ。



『……ノイトラ様、また私が泣いた時は…抱き締めてくださいますか?』

「なッ!?する訳ねえだろ、馬鹿かてめえはッ!!
ッさっきのは……あれだ、手が滑っただけだッ!!」

『そう、ですか……う、もう少し…悲しくなって参りました…。』

「…ッ!!…ッくそ!泣くんじゃねぇ!!!」


頭ぐしゃぐしゃ。(撫でているつもり)


『ノイトラ様…?』

「……ッこれ位なら……してやっても、いい…。」

『っ有難うございます、嬉しいです!』

「…そう、かよ……。(ぷいっ)」



(…ノイトラ様……そこは抱き締めてあげるところでしょう…!!

大体、側に居てほしいだとか、ずっと一緒に居ろとか…どうして言えないんですか!!?)


そして途中から2人を見付けたテスラは、そんな事を思うのでしょう…。





おまけ・終

*****

大変になんじゃこりゃー、でございまして心苦しい限りではございますが、、
「ノイトラ様」と「(ざっくり言えば)虚夜宮」で「ケンカして仲直り」…というお題にて書かせて頂きました。。

…のですが、、うわぁぁあケンカ全然してないですねぇぇええごめんなさいぃぃぃぃいいい!!!!咽泣。(解ってるならとっとと首括りなさい)

お仕事で疲れてる主人公ちゃん、をご希望されてましたのに、その描写すらないですよねもう本当にダメですね、、、あれですかね??現代パロディっぽい感じの方がよろしかったでしょうかね…??
書き直し要請等ございましたらぜひおっしゃってくださいね…。。(罵詈雑言、お待ち申し上げております。願々)

ですがやっとノイトラ様が、主人公ちゃんぎゅー出来て井澤安心しました!!笑顔。
またおまけで遠退きましたけど…ノイトラ様の恋愛スキルが中学生以下で申し訳ないです…凹。(それどう見てもお前のせいな。)

そんなこんなでこれまた謝罪の嵐な予感がございますので、別頁にて井澤がうじぐちさせて頂きますかと存じますので、もしご興味ございましたらそちらもお読み頂けましたら幸いです。。

今回も最後まで、最後までお付き合い頂きました事、深くお礼申し上げます。
本当に有難うございました…!!(深謝)

[*前へ][次へ#]
[戻る]


あきゅろす。
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!