企画部屋
満咲誇る花よりも。(スーダン・田中眼蛇夢/匿名様/Side F)
※お相手は田中くんです。お題文字は「まん」とさせて頂きました。(※匿名ご希望の方からのリクエストでございます、有難うございます!!)
※そして早速、早速の謝罪で申し訳ございません…。
井澤が大変、大変馬鹿なばっかりに…「何をする」は内緒で!!とか書いてしまいましたばっかりに……
貴重な2名様のお題が被ってしまいました…心から、心からお詫び申し上げます(斬首刑)
どちらも匿名ご希望でいらっしゃいましたので、こちらご説明の場等を設けさせて頂くのも難しかったので、
どちらも書かせて頂く事と致しました(真顔)
ですので、同題のSide Mが上がっております。
※お相手&何をするが一緒ではございましたが、場所&主人公ちゃん設定が異なっております。こちらは場所は森(Forest)です、なのでほのぼの系、でしょうか…主人公ちゃんもちょっとふわっとメルヘンってる気がします、森ガールですね!!(お前本当は森ガール知らないだろ謝れ)
※そしてごめんなさい、企画宣言での長さを超えてます…(馬鹿)
※早速井澤のお前どうしてそこまで屑なの?が露呈しておりまして心苦しい限りではございますが…もし上記の件、井澤への鉄拳制裁にてご容赦頂けます皆々様がいらっしゃいましたら、お読み頂けましたら幸いの限りです。
*****
明日はお休み。
だから眼蛇夢くんとお出かけすると決めました!
だって素敵な場所を見つけたから。
そういう時ってね、一番に大事な人に、一番に見せたいって、思うんだよ!
『眼蛇夢くーん!
明日、森にピクニックに行こうよ!さっきね、採集中にね、お花がたくさん咲いてる場所見つけたのっ!』
自由時間とか、晩御飯とか、そんなに待ってられなくて。
集合場所に着いたら、一目散に彼に声を掛ける。
「…む、おなまえ。また迷ったのか…?貴様は真に仕様が無いな…。」
やれやれと溜息交じりでも、眼蛇夢くんは優しい。
心配してくれてるんだなーって解るから。
『…ちょ、ちょっと道間違えちゃっただけだよ…。
でも、あれだよ、怪我の功名ってやつだよね!』
少しニュアンスが違うかもだけど、見つけられたのも迷子のお陰だよ、とちょっとだけ胸を張って言う。
「フッ、そうだな。
貴様だからこそ、辿り着けたのだろうな。
……愉しみだ。」
きりっと結ばれた口角を緩やかに上げて、視線までも和らげてくれる眼蛇夢くん。
この優しい表情が大好きだから、余計に嬉しくなる。
『うん!じゃあ午前中は花村くんにキッチン借りて、お弁当一緒に作って持って行こうよ!』
「ああ、良いな。
では……十の刻に迎えに行く。」
糧は何にするか……合議の必要があるか。
…おなまえ、今宵も空けておけよ?
うん、と私がこっくり頷けば、それを確認してまた眼蛇夢くんが一度笑ってくれる。
だから私もえへへ、とうきうきが隠せない笑顔を返す。
でもまだ採集物の選別も終わってないから、渋々と別れるのです。
名残惜しいけど…また夜にお話するのも、楽しみだなっ。
―――
ピクニックっていったら、サンドイッチだよ!
おにぎりも捨てがたいけど…おにぎりは、体育祭が主役だと思うんだ。
こう、がぶーっていく感じなの!
でもピクニックは、ぱくって感じだから、サンドイッチだと思う!!
…って。
お弁当なににする?会議(in眼蛇夢くんのコテージ)で、
眼蛇夢くんに熱く訴えてみたら、すっごく笑われました。
『……。』
これでも、ずっと考えてたのに…と、むーっと膨れて無言で怒れば、
「…ッ済まん。
俺様は元より、貴様が好物にすれば良いと想っていたのだが…。
こうも身手振り付で熱弁されてはな……貴様は、真に観ていて飽きんな。」
悪かった、機嫌を直せ。
と眼蛇夢くんがくしゃりと優しく頭を撫でてくれる。
…頭を撫でてもらうのは気持ちよくて好きだけど、今はなんだか少し、子ども扱いされてるような感じ……。
『……あんまり、褒められてる気がしません。』
ぷいっとすねて、解りやすく横を向いて彼の視線から外れていく。
自分でも甘えてるなーって思うけど、笑われたのは本当にショックだったんですっ。
「…そうか?それだけ可愛らしい、と言っているのだ。」
……久遠に、永久に、貴様を瞳に留めておきたいと、俺様に想わせる程に、な?
目線を合わせまいと、彼にすっかり背中を向けていた私を左腕で胸へと引寄せて。
頭を撫でてくれる右手もそのままに、吐息を纏わせた甘い言い訳を囁かれる。
『〜〜///
じゃ、じゃあ、サンドイッチは……私の好きなもの、はさませてねっ…。』
ううんっここで簡単にほだされてはいけません!
と気丈なお返事を選んだつもりだったけど、声は少しひっくり返ってるし、なんだかもう、許しちゃってるような言葉が出てて…。
そんな私を見て聞いて、眼蛇夢くんがまた、微かに笑ったような気がしたけれど、
「…ああ、それで赦されるならば…廉い話だ。」
俺様としても…貴様の好物を識るも、また一興だしな?
それも愉しみに変わり無いと、声だけでも優しく笑う彼にはもう勝てなさそうで。
『…うん。
それじゃあ、まずは…たまご。マヨネーズ、多めに入れて、ふわふわにするの。』
「……ああ、次は何だ?」
私が折れてしまえば、甘やかされていた右手が頭からお腹へと移って。
彼の両腕がしっかり身体に回されれば、反省終了とばかりに今度は彼が甘える番みたい。
でもぎゅーっと隙間なく抱き締められるのが嬉しいから、
私も甘えて、そのまま身体を預けてくっ付いて、次の具を考えます―。
――
昨日の会議でサンドイッチの具も万全!
花村くんの数度の襲来に邪魔されながらも(だって花村くんが来ると、眼蛇夢くんもすぐ居なくなっちゃうんだもん)、無事に作り終えての11時30分。
出来上がったお弁当と、ロケットパンチマーケットから持ってきたレジャーシートを持って……
「……おなまえ、双方とも貸せ。」
俺様が持つ、と手にしたそばからひょいっと眼蛇夢くんに奪われました…。
(ピクニックなのに、私だけ手ぶらでいいのかな…?)
うーん…やっぱり私もどっちかは持ちたいな…。
いくら眼蛇夢くんだって、両手がふさがってるのは危ないんじゃないかな…。
両手に荷物な眼蛇夢くんを見ながらそう思っていれば、森に少し入ったところで、
「………おなまえ、シートは貴様に預けたいのだが…良いか?」
どこか気遣わしげに、彼に声を掛けられる。
きっと、悪いかな、とか思っちゃってるんだろうな。
そんなこと全然ないのにっ。
『うん、大丈夫っ!1つ持たせてほしいなって思ってたんだっ。』
私はなんだかテレパシーみたいでちょっと嬉しかったりもして、
はい、貸してー!と笑顔でシートを要求する。
「…そうか、それは助かるな。」
……これで貴様の手を取れる。
シートを右手に握らされて、
左手は眼蛇夢くんに握られて。
気付いたときには、もう彼に手を引かれて歩き出していて。
(え、持たせてくれたのって…こ、このため…?///)
『…っ普通に、言ってくれても、繋ぐ…よ?///』
自分でも小さいな、と思う声でぼそぼそと言ってしまったものの、彼にはしっかり届いていたようで、
「…フッ。解った、次巡からはそうしよう。」
そう微笑んでくる彼と、一度強く握り直される手に、
本当に次からそうしてくれるのか、とか…どうでもよくなっちゃう気がしてしまった行きの道のりでした…。
―――
『え、っと…確か、ここで違う道を通っちゃったんだよね…。
……あ、この先だよ!』
ついに目的の場所が近くなって、眼蛇夢くんを少しだけ急かしてしまう。
こっちこっち、と彼の手を引きながら、目の前の坂道を駆け足に登っていく。
その先はちょっと小高い丘のようになっていて、坂を登り切れば、ふわっと馨る花の香。
青い海みたいに真っ青なお花が咲き乱れる原っぱが地平線まで広がっていて…すっごく、綺麗な場所。
『…ねっ、すごいでしょ?』
へへーっと誇らしく言って、
「……ああ、明美だな…。」
原っぱを見渡して、眼蛇夢くんがしみじみ言ってくれるのもますます嬉しい。
(…やっぱり、眼蛇夢くんと来てよかった!)
―しばらくは2人で原っぱをおさんぱして、お花が咲いていない場所を探して、シートを敷いてのお弁当。
ぱくっと自分たちで作ったサンドイッチを頬張って、ピクニックの醍醐味を味わって……今は食後の休憩というか、ひなたぼっこのようなまったりタイムです。
お天気、崩れなくてよかったね!
なんて他愛のないお話をしていれば、ふっと目の端に入ったのは…シートから数十cm離れたところで、顔をしょげている一輪。
お花を持って支えてみたけれど、元のようにしゃんと上を向いてはくれなくて。
『…あ、このお花…茎が折れちゃってる…。
こうなるともう…枯れちゃうのかな…。』
「……そうだな、導管が折れれば糧の吸収率は低下するからな…。
樹木ならば未だ再生の余地もあるだろうが…こうも華奢な一輪では、難しいだろうな。」
眼蛇夢くんにも確認してもらったけど、ぱっきり折れた茎は戻らないみたい…。
『…かわいそうだね、まだこんなに綺麗に咲いてるのに…。』
それなら綺麗なままで、もう少し残してあげたいな。
…うーん、やっぱり押し花にするのが一番かなぁ?
と眼蛇夢くんに相談してみれば、
「…ああ、そうだな。
だが…それより先に、よく活映える方途があるぞ。」
そう言って、ニッと少し含んで笑って。
眼蛇夢くんが折れた茎の部分から、優しくお花を手折る。
「…おなまえ、じっとしていろ。」
どうして?も、解った、も。
待たずに彼の手が伸びてくる。
そっと左耳に掛かった髪束が手に取られて。
え?っと驚いて眼蛇夢くんを見れば、動くな、と柔らかく諌められる。
でも気になる、という私のまじまじとした視線に対して、彼がまたニッと笑う。
その表情に、この距離の近さにはっとして、慌ててぎゅっと目をつむる。
それでも眼蛇夢くんの手は止まらなくて…髪束が編み込まれているのが、少し引っ張られるような感覚で解る。
結われた髪に、何かをちょこんと挿されて、鼻先をくすぐっていくのは、甘い香。
「おなまえ、瞳を開けろ。」
終わった合図が落とされてから、ゆっくり目を開ける。
……まぶたが開ききれば、変わらない至近距離で、彼の瞳の中に映る小さな自分が見える。
そして今も届く甘い香に、彼が言う方途、を知る。
(あ…さっきのお花、飾ってくれたんだ…。)
込み上げる嬉しさと、いまだに開かないこの距離への、少しの恥ずかしさに身を焼かれていれば、
「……よく、似合っている。
…だが、こうしてしまえば…所詮、この華も貴様を引立てるが為の一介物に過ぎんな…。」
注がれた言葉が、新たな火種になってしまいます…。
『…あ、ありがと…///』
顔が真っ赤に燃えちゃってるのは解ってるけど、その恥ずかしさに負けないように、笑顔でしっかりお礼を言えば、
「……可愛いな、おなまえ。」
眼蛇夢くんの右手が髪から顎に下りてきて、
くいっと引き寄せられれば、すぐに触れ合ってしまう唇。
『っん…ふ……ぁ。』
花々のいい香に包まれて、なにより髪に飾られたお花から馨ってくる匂いがとっても甘くて。
でも私の口内を彼の舌が一周すれば、触れていた唇も離れていってしまう。
(……長くは、なかったけど…なんか、すっごく、甘かった…。)
…この場所だから、かな……?
ここだけ、なら……もう、ちょっと、だけ……。
『が、んだむ、くん…。
…あ、あの……も、もう、い、っかい…///』
また私の髪に手を添えて、優しく撫でてくれている彼に、ぼぼっと火を噴きながらお願いしてみる。
「……どうした?
今日日は随分と積極的だな…?まぁ、俺様としては悦ばしいが…。」
それで…もう一度のみ、で…良いのか?
おなまえ……。
…彼が少し妖しく笑って言ってくるから、ねだっている自分が恥ずかしくて消えちゃいたくなる…。
『…っ……///』
もちろんそれ以上なんてねだれない…けど、答えられなくて……。
それでも結局はねだっていることには変わらなくて、ただ赤く紅くうつむいていれば、
「……拙い、な。
そのような顔をされては…一度で済まして遣れそうに無い…。」
……顔を上げろ、おなまえ。
より熱の上がった彼の吐息が近付いて、
『…っふ、ぅ、ん……んっ…。』
言われた通りに少し顔を上げれば、
同時にぶつかる唇がさっきよりも、
ずっと、ずっと、甘い。
身体全体が甘くなっていく、というか……。
(…なんか…蜜たっぷりのお花になっちゃったみたい……。)
きっと、本当のお花は、ちょうちょやハチさんが居るから、彼らのために蜜が甘くなるんだろうな…。
『…ん、ぁ……はぁっ…ん…。』
甘い眼蛇夢くんの口付が途切れないから、
私もとびっきり甘くなれたらいいなって、
眼蛇夢くんのために、甘くなれたらいいなって、
もっと甘くなりたいから、彼の口付を精一杯受ける。
…それに、甘かったら甘かった分だけ…
もっともっと、長く、続けてくれるよね……?
甘い甘い花飾りの香にすっかり酔っちゃって、
ぼんやりそんなことを思っちゃったのは……
秘密の場所だけの、秘密の秘密、です。
――
帰り道は、交換こ。
「貴様の手が汚れるだろうッ!!」
なぜかそう怒られて、
今度は眼蛇夢くんがシートを持って、
私は空になってすっかり軽くなったお弁当を持って。
森を抜ける間だけだけど……また手を繋いでくれる。
(だって、みんなの前では恥ずかしいし…なかなか繋げないもんねっ。)
――
帰り道も2人の秘密を楽しんで、中央の島に帰ってくれば、
『あー!!
おなまえちゃんお花!超可愛いじゃないっすか!どうしたんすか!?』
早速唯吹ちゃんが気付いて声を掛けてくれました!
『へへーっいいでしょ!眼蛇夢くんが着けてくれたんだっ。』
ねっ眼蛇夢くん!と彼を伺いながら言えば、
『なんと!?眼蛇夢ちゃんたら、なかなかやるっすね!!』
うんうん、と感心したように言ってくれる唯吹ちゃんに、
『うん、田中くんのみょうじさん攻略の早さが解った気がするよ。』
ちょっとズレてる気がするけど、すごいね、と言ってくれる千秋ちゃんに、
『すっごく似合ってるよ、おなまえちゃん!
それにしても…結構まともだったのね、田中。』
少し見直したよ、と真昼ちゃんまで褒めてくれて…
女子みんなの中での眼蛇夢くんの評価が、なかなか上がっているようです……!
似合ってると言ってもらえるのも嬉しいけど、
眼蛇夢くんを褒めてもらえるのがすごく嬉しくて、
『うん!自慢の彼氏さんですよ!』
みんなにどうだー!っと明言してしまえば、
隣に立っている眼蛇夢くんの顔が、みるみるストールに隠れていくのも、またちょっと嬉しい。
「……なッッ!?…おなまえ……何、を…。
…な、んだ…その…………有難う。」
ぼそっと、私にだけ聞こえる位の大きさで、お礼を言ってくれる優しい眼蛇夢くん。
ストール越しの声に、大きく外される視線だって、大好き。
でもみんなの前だと、ちょっと照れ屋さんな眼蛇夢くん。
そんな彼の格好いいところは……なるべく秘密にしたいから、
『どーいたしまして!
こちらこそいつもありがとーっ。』
飾ってもらったお花に手を当てて、とびっきりに笑顔でお礼を言って。
「…ッ……い、や…。」
彼がぐるるとストールを巻いて、もっともっと照れ屋さんになるように、
一番大事な人だからこそ、今はちょっとだけ困らせちゃう私なのです。
終
*****
……ということで…同題1作目、でございました。
お題は、「田中くん」が「森」で「髪にお花を飾ってくれる」で僭越ながら頂いておりました。
うん、申し上げて頂かなくて大丈夫です、解っておりますとも。
うわぁぁ申し訳ございませんーっ!!!!(色々死んで来い)
なんでしょうかねなんでしょうかね、甘いっつーかでろいっていうか…井澤の中の森ガール(??)がふわっふわなので、ふわっふわな感じになってしまいました(とりあえず日本語で話せや)
終わらんやないの!!汗。と思っていたら通常作と同じ位の長さになっていて井澤が絶望してたとかはまぁこの際いいんですが…(企画の趣旨曲げんな)
俺様スイッチ全開で突っ走ってたのに、久々照れ田(照れる田中くん)で終わっていて申し訳ないなぁと……イケメン田中くんがお好きとのご意見を頂いていたので。。
対主人公ちゃん限定俺様の強調だったんですが、、イケメン度下がっちゃいましたでしょうか…あああごめんなさい…(是非ミンチにしてください…凹。。)
他にも懺悔箇所満載かと存じますが、こちらもまた別頁等で…お付き合い頂けます方々がいらっしゃいましたら、井澤を慢侮して頂けましたら幸いです。。
同題のSide Mも主人公ちゃん設定からかなり異なっておりますので、宜しければそちらもお読み頂けましたら嬉しい限りです。(すでにお読み頂きました皆々様がいらっしゃいましたら、深く御礼申し上げます!!)
それでは貴重なお時間を割いて頂きまして有難うございました!
どうか宜しくお願い申し上げます!!(心願)
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