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企画部屋
頑張る彼氏の事情心情。前篇(スーダン・田中眼蛇夢/ゆき様)
※お相手は田中くんでございます、お題文字は「が」とさせて頂きました。(※ゆき様よりリクエスト頂戴致しました、本当に有難うございます!!)

※毎度毎度で恐縮ですが…今回もWARNINGが多分にございます。。。(土下座×首ちょん)

場所が動物園、という事で基本的にはおデートされてる感じでございますが、こちらも覇王様はどうにもこうにもな井澤覇王様です。
特に田中くん視点時での何時もの無残さを思い出して頂きまして、用量用法をご確認の上、先に進まれます前に深呼吸を5度程して頂く事をお勧め申し上げます。(陳々謝)

……あとやっぱりなんだか長めです、井澤は多分虚言癖なんだと思います……凹。(その問題はいつになれば解決できるの??苛)

※主人公ちゃん設定に尽きましては今回もフリーフリーでございますので、皆々様にて可愛い子にして頂けましたら幸いです。

※上記諸々をご確認頂きまして、それでも先に進んでみるわ、私…!!という冒険家な皆々様がいらっしゃいましたら、此度もお付き合い頂けますと嬉しい限りです。



*****



『田中くん、お待たせ。』

委員会を終えたらしい彼女と肩を並べ、往き辿るは帰路が道。






……彼女、みょうじとは……


何だ、その……交際、というものを始めて…約一ヶ月程に、なる。


まさか彼女が受けてくれるとは思わなかったが……存外、言ってみるものだ。

依って、慶福な日次を送っている…と言える。












だがまぁ……何とも、何とも、清いものなのだ。

なるべくと学舎までが往復路は共にしているが…、
後は時折、その復路で喫茶に立寄るが程度。




……詰まり、俺様としては……もっと、だな…?

その……共に居たい、訳で…だな…?

出来る事ならば、安息日も……と。




それこそ学舎を共にしている人間共の瞳を気にせず…
もっと…彼女と、二人の刻を過ごしたい……訳、だ。




しかし結局…それを言霊とは出来ず。
気付いたが刻には早一ヶ月、となってしまっていたのだが……。



…流石にそろそろ、その頃合と観ても良いだろう。







喫茶が末席にて脚を休め、彼女との会話がふと途切れたが刻に、次なる一歩へと踏切る。

「……みょうじ、その…週末なのだが、空いているか…?」

『…週末?
うん、大丈夫だよ。どうしたの?』

彼女が口へ含んでいたストローを外し、問返して来るに、

「…い、や……貴様が良ければ、なのだが…どこかへ出掛けない、かと…。」

俄かに口籠りながらも呈すれば、

『わぁ、行きたい!すっごく行きたい!』

間髪とも惑わず、明快に応えてくれる彼女に…心から安堵する。



「…!!そうかッ…!ならば、往きたいところはあるか?」

どこでも構わんぞ?と言付ければ、
うーん、そうだなぁ…と軽く頬杖を付き悩み始め…

『…田中くんとの初めてのおでかけだから……やっぱり、動物園がいいな。』

にこりと笑掛けては、そうであれば尚良いと、俺様も想っていたが場所を言ってくれる。

「フハッ!魔獣園か…心得た。
そこならば正しく俺様が庭……任せておくが良いッ…!!」

『うん、楽しみにしてるね!』

またも笑顔で愉しみだ、と言ってくれる彼女が為にも。
限りに魔獣園が名を挙げ、週末が予定の仔細を確と詰めていく―。



――


先日の約契の下、今日日は魔獣園へと赴いている。



彼女と二人、観廻るがだけでもさぞ愉しいのだろうが…

……もし、もし叶うのならば…手位は、繋ぎたいものだな…。




…そのような恣意も奥底にて抱きつつ。
唯彼女を想い待つ。


『田中くん、おはよう!
んー私も早めに来たつもりだったんだけど…待たせちゃってごめんね?』

「いや…偶々乗継が上手くいってな、早めに着いてしまっただけだ。」


…というのは…建前、のようなものなのだが。


事実、約束が刻より半刻(一時間)程は前に俺様はこの場へと降り立っている。
俺様としてはみょうじの家まで迎えに赴き、この魔獣園が道程までも共にしたかったのだが、

『せっかくだし、待ち合わせしたいな。』

そう彼女に望まれては、我を通す訳にもいかん。


拠って彼女と過ごす刻を、一寸でも早く、と。
少しでも彼女の刻を多くと増やすが為と、この地に脚を着けたのだ。


それに万が一、万が一だが……みょうじの方が先と着いてしまい、俺様を待つような事体になったとすれば…

彼女が一人と待つ間に、他の男共がわらと寄ってくるだろうからなッ……!!


何せ私服姿もこうも可愛らしいのだ……当然そうなるだろう。


しかし……本当に、可愛らしく……俺様の予想等、遥かと越えてしまっている……。


…改めて、初めて瞳にする彼女が私服姿を見遣る。
決して狭窄とは言えん魔獣園を歩むからな、動き易さを重視したのだろうパンツスタイルなのだが……


その…どうも………丈が、だな……




…………短過ぎはしない、か……?





しかも、ニーソックスを合わせてくるあたり、が……また、だな……?









……俺様としては眼ぷk………いや、まぁ…悪い気はせん、のだが…。




………どうにも、彼女の絶対的不可侵領域へと。
数多の男共の視線が集積しているような気配がし……落着こうにも落着けん…。



「…みょうじ、その…今日日はまた一段と…可愛いらしい、な。

……だが夏場とはいえ、露出は控えた方が良い。
方今は射光が強い…焼けたが後の炎症も心配だからな?」

……彼女が焼ける、というよりは、俺様が妬ける、が正しいのだが。
敢えてあくまでも忠告の体を崩さず言霊を編む。

『あ、ありがとう…。

でもそうだね…皮膚がんとかも怖いし、一応日焼け止めは塗ってるけど、次からはもっと気を付けるようにするね!』

幾らも疑念を抱かずに頷いてくれる彼女に、それが良い、と返しておく。



……これで次期からは良いだろう。
しかし刻下はどう仕様も無いからな、彼女から片刻と離れず、瞬刻と瞳を離さずに居るより他も無い。


まぁ……離れも、離せも出来そうには無いがな…。









『……田中くん?』

どうしたの?と、軽く首を傾げ尋ねるみょうじの声で、思わず彼女を見詰めるに徹していた事を知らされる。

「…む、何でも無い。
魔獣園を巡る順路を…少し、思案していただけだ。」


…貴様に観入っていた、と。
いっそ魅入られていた、と言ってしまっても良かったのだがな。


さしもの俺様も…多少羞恥が伴い、口にするのは憚られたのだが、

『回る順番まで考えてくれてたんだ!』

俺様が言葉を受け、それは嬉しそうに笑ってくれるみょうじに……また魅入られそうになる己を戒め、

「…フッ、まぁな…俺様に任せろ、と言っただろう?
ではそろそろ往くか。」

『うん!』

そして彼女のこの笑顔が絶えぬ内に…更なる笑顔が観たいが為に。
俺様が庭へと招き入れるのだ。



―――


魔獣共が犇めくこの魔獣園が中では、一つとして欠かせる場等無いと言えよう。


…だがそれでも、要所は在るというものだ。







む?………それはどこか、だと…?


ハッ!愚問だなッ!?




最も彼女の笑顔を引き出せ、最も俺様の真価が顕れるところよ……。









…ほう、貴様もやっと気付いたようだな?







あぁそうだ、もちろん……



“ふれあい広場”だ。






『田中くんっひよこさんふわふわだよーかわいい!』


獰猛なる本性を、その金色の羽毛が内にて密に育む幼鳥。
それを悟られぬが為に備えた愛らしさとは知らずに、すっかり降参とばかりにみょうじが笑んでいる。







……言うまでも無く、可愛い。



奴等の秘める悪しき野望等、俺様が邪眼の前では丸裸も同然。
ましてや彼女に身を撫でられる僥倖を受けているという事実はなかなかに赦し難い事だが……

『わっ、手に乗ってくれたよ!』

……彼女の笑顔に免じて、引離しに掛かる事は止めるとしよう。
拠って彼女の掌が上に立つ奴へも、自動結界を解除し努めて優しく触れてやるとする。


(よーしよしよし…。)


――


ややしばらくは、獰猛なる(中略)幼鳥と戯れていた彼女だが、

『次はうさぎさんコーナーだね!』

他の魔獣共も待受けていると知り、そちらへと脚を向けていく。


千里に渡る音を集束するという邪耳を持ち、白妙たる身にて稚さを匂わせる彼の魔獣だ。


『…触っても全然逃げないんだね、すっごく大人しい。』

所詮人間が瞳では大人しく視えるだろうが……それも奴等が手の内だ。
こちらの挙動一つ一つまでを伺い読むが為の静けさとは知らず、やはり彼女は良い子良い子と撫でては微笑んでいる。






………うむ、何の問題も無く可愛いな。



同様に奴等の隠し磨いだ齧歯に貯めたる脚力も、俺様が邪眼に掛かれば、全て曝け出されているも同然。
やはり彼女の寵愛をその身に受けているのは赦し難い事ではあるが……。

まぁみょうじの慈愛に満ちた笑顔に免じt『あ、あの子うさぎさん抱っこしてるね!私もしたいな…。』





…なッ!?

だ、抱っこ、だと……ッ!!?




……それは羨まs…………ッ違うッッ!!!




…いや決して、決して羨ましく等無い、断じて無い。

だが魔獣の扱いに不慣れな彼女では、奴の毒牙に掛からんとも限らんからな。



『ん、しょ……っわ、と…。』

…案の定、安定とは程遠い抱え方で苦戦している彼女が映り、

「……みょうじ、こうだ。」

彼女の両腕、両手を取り、抱え直させてやる。








……む、両腕…に……両、手ッ……!?



ッ…しまったッッ!!


「ッみょうじ、その、済まんッ…!!
危なっかしさに観兼ねて、つい…だな……?」

無意識とはいえ、彼女の了承も得ずに触れてしまったは紛れも無く事実。
……そして若干ではあるが…意識したが事に拠り、その感触が想い起こされているも、事実。


しかしせめて逸早く、と謝辞を陳べれば、

『えっあっ、ううん!えっと…抱っこさせてくれて、ありがとう!』

白毛たる魔獣をぎゅっと抱え観せ、僅かに赤みを帯びた頬で笑い、礼までも返って来た。

「ッい、や……礼には、及ばん…。」



……むしろ礼を言いたいのは俺様の方だとすら想うのだが。

まぁこれも……彼女へは黙秘を貫かせて貰う事とする。



『そ、そっか…!
…あ、うさぎさんって、あったかくてすごく抱き心地いいんだね!』

この子ももふもふだよー、と改めて笑顔を咲かせてくれる彼女に免じ…彼女の胸に抱留められる等言語道断、赦せるはずも無い事ではあるが……やはり離すべくとは手を掛けん事としてやろう。

拠ってみょうじに抱かれ邪耳をも寝かせ、彼女を傷付ける気は無いらしい事を視認した上で、俺様も体内より漏れる毒気を最大限に抑え触れてやるとする。


(…先の契機で、今日日は本当にみょうじと手を繋ぐ事も可能となったかもしれん…。

そうなれば貴様のお陰とも言えよう………有難う。)


――


千里に渡る音を(中略)魔獣をしばし抱いている彼女に、双方への負担が懸念されると説き、放すように促す。

そうだね、と直に従ってはくれたのだが…、
名残惜しそうに数度と見返り、寂しさを滲ませる彼女の姿に、再度と笑顔を取り戻すが為……次なる魔獣の元へと連れ立った。




『……すごい!ひつじさんがいっぱい!
あっごはんもあげられるんだって!』

己の手より贄を与えられると知り……無事に彼女の顔に笑顔が燈る。








………良し、間違い無く可愛いな。
無論、それ以外の言葉等受付けんがなッ…!!


そして早速と、面識は持っておらんが我が僕たる輩(飼育員さん)から贄なる草々を受取り、幸せそうに笑い礼を述べる彼女。

(むッ拙いッ…!
…ええいッ貴様ッ…!!とっととみょうじから離れろッッ!!)

誰彼と隔てなく愛らしい笑顔を振撒くみょうじに、僕が完璧に堕ちているのを感知し、
急ぎ彼女を奴から引離す為に別檻の魔獣が元へと誘導する。







……全く、油断も隙も無いな。


いや、彼女に油断と隙が有り過ぎるのか…?
だとすれば片刻と瞳を離さず居ようとも、観ているだけでは限界が訪れるというものだ。



…やはりここは一つ、何か理由を錬成してでも彼女が手を……と、禁忌と封ぜられた術式を発動せんとした刻に、

『はい、ひつじさんどーぞ。』

彼女が魔獣へと贄を与え始める。



『わぁ食べてくれてる!こういうの嬉しいね!』



奴等の贄に対するその貪欲性、当に贄を逃さぬが為に特化された視野の広域さ。
そして決定的なのはその集団性……奴等の恐ろしさは群を成したが刻こそ発揮されるとも知らず、もしゃりと食む羊獣をにこにこと眺めては、愛らしく魔獣共が口元までと贄を運んで遣っている。





………どうしてこうも、一挙一動までが可愛いのだろうな。

そんな彼女の様子に見惚れつつも、

(だが…そのスピードでは追い付かなくなるぞ?)

とも内にて思いながらに観守れば、

『…わ、わわっ、待って待って、みんな順番にあげるからっ!』

俺様が機知した通り、贄の気配を察知し、一匹、また一匹と魔獣共が集い……
始終丁寧に与え続けるみょうじの前に群を成しては、彼女をすっかりと囲んでいく。

もちろん檻柵を挟んでの事だが、それでもおろおろと、多少困惑している彼女がまた一層に可愛らしい。


……等と想うのはどうかと、我ながら思うのだが……
みょうじは未だ魔獣共の前を離れず、懸命に贄を与え様ともしているからな、俺様の助けも未だ要らんだろう。





しかし贄を直接彼女が手から……か。





……これもまた、なかなかどうして羨まs………


………。



いや待て、流石にこれは…どうなのだ?

ここに一縷でも羨望を見出しては、覇王たる俺様の尊厳にも関わってくるのではないか……?



……しかし何分、彼女からであるという点に於いては、些か贅沢過ぎる待遇である事には変わり無い……。

そして見方を変えれば、彼女は糧の摂取に手を貸している、という状況だ。
詰まり、彼女が甲斐甲斐しく世話を焼いてくれるが行為の一環……とも言換えられる。



(…ならば一概に、起こり得んとも望むは見当違いだとも言えぬシチュエーションかもしれん…。)



……いや羨ましく等無い、この命賭けようともそれは無い。

羨ましく等は無いが、絶えず分岐していく平行世界(パラレルワールド)では、何が起こるか俺様でも把握が難しいからな?

……念の為の考究だ。



そんな事を思惟してしまっていたが為に、

『…あっ全然気付かなくてごめんね。


はい、田中くんもどーぞ!』

そう、それはまた愛らしく屈託の無い笑顔で。
彼女から差し出されたその贄が、


俺様も魔獣共に与えたいだろうという思いを汲んでの事なのか、
はたまた俺様に贄として食むようにという事なのか、


……一体、どちらを指しているのだ?等と。


寸刻でも迷ってしまった己が居た事は、彼女には知られてはならん事だろう。




拠って何事も無かったかのように彼女を観返し、

「……みょうじ、有難う。」

『ううん、私1人でたくさんあげちゃってごめんね…。』

そう肩を落とし謝る彼女から、

「……俺様は何度も訪れているからな、気にするな。」

と言添えて贄を受取り…その手にした贄が尽きるまで、彼女と魔獣共が群れと戯れるに徹したのだ。


(……フッ、先は俺様とした事が血迷ってしまったな…。
みょうじが贄を与えられるもこの境界あってこその事。
幾ら貴様達が愛らしかろうと、彼女の中で俺様と同列に成り得る事は無いのだ…。

……羊獣共よ、残念だったな?
だがせめての餞だ、貴様達の腹を満たす手助けはしてやろう……。
…よく食べると良い…。)





前篇・終

*****

えー…はい、前篇という事でございましたが、、

…とりあえず穴を掘って埋まって窒息したい思いで早くも一杯でございますが、とにもかくにも申し訳ございません……。(井澤の首で球蹴りしてください…願)

こちらもまだ前篇なので後書らしい後書は後の方で、とさせて頂きますが、後篇もそこまで長くないはずですので、そこだけは良いお報せをさせて頂けますかと存じます…!!グッ。

本当は一本にしたかったんですがね…それだと入らなかったもので…。
…あ、井澤実はまだガラケーなんですが、携帯から確認致しましたら文章が字数制限で全部表示されませんの状態だったので、今回も前後篇とさせて頂きました。。。

井澤自身が最たるアナロガーなので、当サイトはガラケーにとても優しい設計となっております…(笑顔)

……ただ初期の頃の作品に、ちょこちょこ最後まで読めないなのがあったりして修正するか悩んでいたりもしますのですが…滝汗。(モゴゴ)


って!!
大変に余談となりまして本当に申し訳ございませんでした…!!!

此の度もお付き合い頂きまして誠に有難うございました。
もしこちらで続きも興味は皆無だけど暇潰しがてら読んでやってもいいか、と思って頂けました皆々様がいらっしゃいましたら…後篇もお付き合い頂けますと幸いでございます。。。
どうかどうか、宜しくお願い申し上げます(懇請)

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あきゅろす。
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