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幻想
いたいのいたいの、とんでっちゃえ。(スーダン・田中眼蛇夢)
※お相手は田中くんです。(リンクでも大変お世話になっております、五天王様よりリクエスト頂きました!!誠に有難うございます…!!!)

※そして早速にWARNING!!がございます、大変申し訳ございません。。。
えぇと、このお話は、主人公ちゃんが…あれです、女の子の日、でございます汗。
流血沙汰はございません&(井澤内では)明るいお話かと思われますのですが…苦手でいらっしゃる皆々様、どうか御気を付けて頂けますと幸いです。
また男性には少々解し難いお話等もありますかもしれませんので、、、重ねてご勧告&お詫びの程申し上げます。

※その他、主人公ちゃん設定皆無の通常運転(別名、丸投げ仕様…凹。)でございますので、皆々様のお力を拝借させて頂きたい次第でございます。

※上記諸々と、今回もご了承頂きます事がございまして恐縮でございますが…
どうせ井澤だし仕方無いか、のお心でご恩赦頂けます皆々様がいらっしゃいましたら、ご一読のご機会を賜れますと嬉しい限りです。



*****




(うー…だめだ、やっぱり…痛い……。)



本当は、朝起きた瞬間から……それはもう痛かった。
朝の目覚めが同時に、最悪の悲劇の幕開けになったわけです。



まぁこんなに長い修学旅行だから…ならない方が心配になるんだろうけど…。
だけどせめて、初日は休日とかになってほしかったな……。



……元々、重い方だとは思う。
だから辛くてしょうがなくて、とりあえず手近にあったパンをかじって、すぐに痛み止めもかきこんで。


でも朝ごはんを食べて、採集の時間になるまでにはどうにか痛み止めが利いて…なんとかなるんじゃないかって思ってた。

だけど見事に効いてくれなくて……
むしろ、時間が経つごとに痛みが増してる気がする……。




(…んー…これはちょっと…本当に無理かもしれない……。
軽く立ちくらみもしてきちゃったし…。)



……日向くんに、今日は休みたいって言おう。

そう思って声を掛けたのに、

「ああ、みょうじ、今日は田中と山の採集頼むな?」

なんて言われてしまい…。





(田中くんと2人で採集!?なんでよりにもよって今日……。
超痛い、辛い……採集なんか、全然できそうにない…。


でもでもっ超行きたい!!もう次なんてないかもしれないし…!!)










……そんなわけで無理を押してみたものの…やっぱりダメでした。


先を歩く彼の背中を見て、

(……田中くんとじゃなかったら、絶対休んだのに……。)

改めてそう思ってしまう。


――


採集場所まであと半分くらいのところまでは来られたけど…。


せっかくだし…。
と彼の隣に行きたい気持ちとは裏腹に、足は前に出なくなってきて、徐々に彼との距離が開いていく。

……山道はただでさえ足場が悪くて歩くだけでも結構大変で、右手に持ったつるはしの重みもあって、たまによろけてしまう。
それでも頑張って踏み出せば、一歩一歩に比例してズキズキと。
お腹に伝わる振動で痛みが走って、下半身自体も鉛になっていくみたいに鈍く重くなってきて……。






……痛い…。


…うぅ、もうこれ以上…今は動けそうにないや……。


(…しょうがない、ちょっとだけ、ちょっとだけ休んでから追いかけよう…。)


それで良くなる訳じゃないけど反射的にお腹を抱え込んで、静かにそっと…彼に気付かれないようにしゃがみ込む。
膝に顔を埋めて、じっとして、痛みが和らぐのをただ祈る……けど、



(痛い…痛い、痛い痛い痛い痛い痛い……。)



……大体は痛みに波があるはずなのに、今日に限って全然軽くなってくれそうもない。





なんだ、私の身体は私の恋を応援してはくれないのか。
私の身体なのに、なんて薄情なんだ……。






痛くて痛くて、おかしなことを思っちゃうけど、
そのおかしさに突っ込む余裕も元気もなくなってしまって、


(…まぁ元気だったからって、好かれる保障も自信もないけどね……。)


女の子の日独特の鬱モードで、そのままネガティブ海にどぼんとダイブ。
自分で塞いだ視界と一緒で、心も一気に真っ暗闇。






(もう、田中くんの背中も見えなくなってるんだろうな…。)




……置いてかれちゃったよね。
足手まとい、って…ため息とかつかれちゃってるかも。

















そう思うとちょっと涙ぐんでしまうけど…
きっと…ううん、絶対にそうだ、って思ってたから、


「……みょうじッッ!!どうしたッ!?」


田中くんが私を呼んでくれた時は……それはもう、驚いた。

でももっと……嬉しかった。



その声に引き上げられて、ざぱっとネガティブ海から顔を出せば、目の前には駆け寄ってくれた心配顔の田中くん。
方膝を折って地面に着けて、覗き込むように私を見てくれる。




(…田中くん……わざわざ戻ってきてくれたんだ……。

…嬉しい。)




……やっぱり、田中くんを好きでよかった。





そう想って、えへへとこっそり笑えば、目尻に浮かんでいた涙もどこかに引っ込んじゃって。






『…あっ、ごめん!すぐ行くから…。』

でもこれ以上迷惑は掛けられないな、と慌てて立ち上がろうとすれば、
左手でがしっと右腕を掴まれて、彼に止められてしまう。


「……そのままで良い、立てんのだろう?無理をするな…。
だが……どうしたのだ?」

…負傷したのか?

と真剣に聞いてくる田中くんに余計な心配は掛けたくてなくて、
ううん、怪我なんてしてないよ。
と答えれば、

「…ならば魔菌に憑入られたのか?」

続けてそう聞かれてしまったから、

『大丈夫だよ、風邪も引いてないから。』

と…答えようと口を開いた時に、ぴたっと。



小さなひんやりした感触の後に、あったかい何かがおでこに全体にくっ付いて……













(……って、えええ!!!
お、おでこにっ…田中くんの手がっ!!!!)





どっどうしてこうなってるの!?
それより俺様に触れるな、はどうなさったんですか!?

そう少しだけ開いた口のままであわあわあわわ。
でも私が意識しだした頃にはすっと離れていって、

「……熱も…無いようだな…。」

彼は相変わらず真剣な顔で言ってくる。





……多分、今からもう一回触られてたら…高熱だと判断されたんじゃないかな……。

そんな事を思ってしまう位、一気に沸騰してしまった顔は庇いつつ、

『う、うん…風邪も、引いてないと思うよ…?』

と、上ずりそうになっちゃう声をどうにか落ち着けて返して…。



それでも、

「そうか……ではどうしたと言うのだ?」

また膝へと半分埋まった私の両目を追って、真正面からそう聞いてくれるから。
本当に…すごく、心配してくれてることが解って……余計に、困る。


(うぅ…どうしよう…。
心配してくれてるの、すごく嬉しいし…ちゃんと話した方がいいのかな…?

…でも、でも…やっぱり、言いにくい……。)



ど、どう説明しよう…?
と喉の奥で言葉がつかえて、どうにもあぐあぐしてしまう。

けどそれも私が体調悪いせいだと思われてるのか、
彼の真剣な表情も真っ直ぐな視線も、少しも崩れなくて……むしろ、

「……みょうじ?大丈夫か…?」

もっと心配そうに声を掛けられてしまって……















……負け、ました。



(……これじゃあ下手に誤魔化しても追求されそうだし…
お腹痛い、って言って…別の意味で取られちゃうのもちょっと嫌だし……。)





………よし。
なんかこう、ふわっとわかってもらえるように伝えよう。


『あ、あのね…?えっと…その……なんていうか…。
怪我とか…病気とかじゃ、なくて……。』

…月に一度…女子だけに訪れる……ハルマゲドン級の、受難…みたいなの、で……。





と、田中くんにわかりやすそうな表現(?)で…ぽろぽろヒントを蒔いてみる。



(う、うーん…ちょっと大げさだったかな?
ていうかちゃんと濁せてるのかな…?

でもでもっこれでもすっごく恥ずかしいんだよ…?)



…だけどこれで察してもらえなかったら、それはそれで追求が怖いような…。
と彼の様子をちらりと伺ってみれば、
3秒くらい固まっ
てから、みるみる真っ赤に染まっていく田中くん。



……あ、気付いてくれたみたい…。



今度は彼が私と絶対に視線が合わないように、ぐわっと顔を背けていって、

「……ッ………済ま、ん…。」

聞いて悪かった、とばかりに謝られてしまうから、

『う、ううん、大丈夫、だから……。』

私も彼に負けない位、真っ赤になっちゃいそう……。



――


すっかりストールに埋もれて、紫ロールキャベツな田中くんを見て、


…やっぱり、言わない方がよかったのかな?

と、ちょっとだけ後悔。



これは女子にしかわからない事だし、そりゃ男子は言われても困るだけだよね……。

(……田中くんもこういうのは動揺しちゃうんだ…。
けどなんだか可愛い…。)


いつもの俺様フハハー!な彼が大好きだけど、この頭隠して…な可愛さもなかなか…。



…って!!
彼を困らせてるんだから、可愛いとか思ってる場合じゃないぞ私!!




うーん…でもそう思ったところで急に痛みが治まるわけでもないし、
あんなに心配されちゃうと本当のこと言うしかなかったというか…。




せめて、もっと違う症状にすればよかったかな?
とりあえず貧血とか…。
あ、それならあながちウソでもなかったな……としばらく考えていれば、


突然顔を覆っていたストールを左手でぐっと下げて、
ばっと身体ごと私の方へと向き直ってくれる田中くん。

そして、

「……みょうじ、その…辛い、のだろう…?
俺様に出来る事があれば……何でも言え。」

まだ少し赤みの残る顔だったけど…ぐぐっと眉間に皺を寄せて、表情を締めて真摯に言ってくれる。



……うぅ、私が困らせちゃったのに…優しすぎるよ………。




(っもう!
これ以上私を好きにさせてどうするつもりなんだ、この覇王様めっ!!)



私が体調悪いから、普段より優しくしてくれてるだけだってわかってるけど…どうしたって嬉しさで顔がにやけてしまう。

それをなんとか最小限に堪えつつ…
こんなチャンス二度とないかもしれないから…と彼の言葉を聞き直せば、

『……本当に、いいの?なんでも?』

「…ああ、構わん。言ってみろ。」

……何だ?と優しく聞き返してくれるから…







だ、だったら…ちょっと……
わがまま…言ってみても、いい…かな?



『じゃ、じゃあ…四天王ちゃんたち、見せてほしいな。
可愛さで癒されたら…痛みが和らぐかもしれないし。』

「…良いだろう。」

お言葉に甘えて…と言ってみれば、そんなことか、とばかりに田中くんが四天王ちゃんたちを呼んで出してみせてくれる。



少し触らせてもらったりしながら、しばらく四天王ちゃんたちに遊んでもらえば楽しくて。
もう可愛いし、田中くんと並んでる絵だけでもとっても癒されます。


…だけど、まだ立ち上がれる程の元気は取り戻せなくて、

『うーごめん、四天王ちゃんたちには何の落ち度もないんだけど…まだ少し痛くて…。』

…ごめんね、と謝れば、

「いや、貴様が謝る必要は無い…。」

田中くんはそう笑って言ってくれて…それどころか、

「……みょうじ、他はどうだ?」

何か無いのか…?と聞いてくれるから、
ちょっと心が弱ってるせいもあって…彼の優しさとその言葉に、思わずもうちょっと甘えてしまいたくなってしまう。


『えと……だったら…その、頭…撫でてほしいな、いい子いい子って。
ほら…痛みが紛れるかもしれないから…。』

それで、さっきのおでこ熱計り事件もあったし…、と調子に乗って言ってみたり。




(……でもあれは無意識だったんだろうし、さすがに直接触れるのは覇王様的にNGだよね…。)


これは断られちゃうだろーなーと覚悟していたのに、

「……む、解った。」

あっさり承諾されて……パニックになる間もない内に、
伸びてくる彼の右腕と、ぽむっと頭に乗せられる右手のコンボが炸裂。


(っわ!!いっ言ってみる…ものですね……!!)



――


私の身体を揺らさないように気を遣ってくれてるのか、
頭の形に沿うように、髪の上を滑っていくように、そーっとふわーっと。
優しく優しく撫でてくれる。



…正直、今日女の子の日になってよかったって。
朝からの辛さが全部、良い思い出に思えちゃう位には幸せです。



(……田中くんの手…大きいな。
それに…なんか、大事にされてるような錯覚に陥っちゃいそう……。)


って、ダメダメ!!
これは病人(?)の特権みたいなもので…田中くんは善意でしてくれてるだけで……。

私のことなんて何とも想ってないって……
それはわかってるはずなのに、どうしたって意識は頭に集中しちゃうし、撫でられる度にドキドキしてしまって、いっそ胸まで痛くなってきた。




…好きな人にいい子いい子してもらうのは心臓にすっごく悪い。
このことをしっかり学んでいれば、

「……どうだ?少しは楽に為ったか?」

撫でてくれる右手は止めないで、田中くんが聞いてくる。

確かに、頭…というか田中くんの手に意識が集中しちゃうから、痛みがあんまり気にならない、かも…。


『う、うん、ちょっとまだ痛いけど…だいぶ紛れてるよ、ありがとう。』

でももう少しだけ撫でていてもらいたくて、まだ痛い、とも言ってしまう。


……痛みがあるのは本当だけど、ずっと撫でててもらうわけにもいかないのに、甘え過ぎ…かな?

自分でそう思っちゃう位なのに、これだけでも十分過ぎる程に幸せなのに、

「ならば良いが……それでも未だ、辛いのだろう?
……次は何だ?」

とまで、言ってくれるから……

これ以上のわがままが許されるんだ、って……勘違いしちゃうじゃないですか。








本当は、他にもしてもらいたいこと、いっぱいある。
だけど…クラスメイトの域じゃ、きっと無理なことばっかりだから…。






……だったらもう、ダメ元で。

今なら言える…というか、多分言ってもこんな状況だから…後で言い訳とかもききそうだし…。


『……あの、田中くん。
えと…してほしいこと、じゃないかもしれないんだけど……。
…その……私と、付き合ってほしい、です…。』


なんかこう…ちょっと遊びに誘うような感じで何気なーく、でも思い切って。
……ほら、どさくさ、ってやつですよ。








で、でも…さすがにこれは、引かれたかな……?


(…その時は、お休みに一緒におでかけしよう、って誘ったことにしよう…!)


自分の保身の為にそう決めて、とりあえず彼が何か言ってくれるのを待って身構えれば、


「…解った、大切にしよう。」


すぐに大真面目な顔のまま、田中くんが答えてくれて………んん?




これも了承してくれたってことは…田中くん、勘違いしてる?
私が訂正しなくても、一緒に遊びに行くことだって思ってくれたのかな…?



だったらそれでいいんだけど……タイセツニシヨウ、ってなんだろう?
中二病用語?
それにしては普通の日本語に聞こえたけど……。



タイセツニシヨウ…。

タイセツニシヨウ…。

タイセツニ………。

タイセツ……?




あ、もしかして、大切…?

なんだ、大切かぁー…。












……へっ?

たっ大切にしよう!?





『……えっ!?』

遊びの約束には使われない単語に辿りついて、

もしかして勘違いされてない?
ていうかOKをもらえたってこと!?

と、とにかく驚いて大声を上げてしまえば、

「…?……どうした?」

田中くんは何事もなかったように軽く微笑ってきて…、
ここはさっきの赤面症さんの出番ではないんでしょうか…?とか思ってしまうけど、

『どうしたっていうか……いい、の?』

遊びに行くんじゃなくて…ちゃんとお付き合い、って意味…だよ?

と確認すれば、

「……む、もしや…冗句だったのか?」

なんて、一転して悲しそうな顔をしてくるから…



私だって…本当に、本気にしちゃうよ……?




『違う…けど……。
でも私のこと、気遣って…とかだったら、悲しいし……。』

だけど実感がわかなくて、ついそんなことを言ってしまえば、
すぐに彼が頭を撫でる手を再開させて、

「フッ…そういう事か…。
…それならば貴様に一つ、良い報せが有るな。」


今日日の役儀は…貴様と共に往けるよう、俺様が日向に頼んだのだ。

……これでも未だ…疑うか?



そうニッと強く笑ってみせてくれるから、



田中くんも…前から私のこと……。

って、思っちゃっても……いい、よね…?





『……ほ、ほんと?

それなら……あの、よろしく、お願いします……。』

「……ああ。
宜しく頼む、…。」


ちょっとまだ信じられない位だったのに、田中くんもよろしくって返してくれて……
やっと…実感がわいて。



(わぁぁ…本当に、言ってみてよかった……。)









…これも、今日女の子の日になったお陰かも。
なんて、幸せの余韻に浸っていれば、

「…それで、俺様は彼氏として…何をすれば良い?
もう何も…遠慮は要らんぞ?」


(か、彼氏として…だって!!)


田中くんが早速、そんな嬉しいことを言ってくれてるから、

『…うんと……痛くて、なんだか心細くなっちゃったから…手、繋いで…?』
彼女になれた今なら…と、してほしいことをひとつお願いすれば、

「ああ、解った。」

フッとひとつ笑って、ぎゅっと。
右手で左手を包み込むように握ってくれる。




それがすっごく、温かくて。
でも…左手以外が、なんだか寒いようにも感じちゃって、

『……あ、あと…お腹、冷えるともっと痛くなるから…あっためてほしい、な…。』

もうひとつ、してほしいことを言って甘えてみれば、

「…ほう?それは拙いな?
……温めて遣ろう。」

地面に胡座をかくように座って、しゃがみこんだままの私を引いて、膝の上に乗せてくれて…
右手は繋いだまま、彼の左腕がお腹に回って…ぎゅーっと全身があったかい。


けど、
田中くん、服汚れちゃうのに……。
とか、
自分で言っておいてなんだけど…ち、近い……!!
とか、
頭の中は大変なことになっていて。






でも、彼女になれて、お願いも聞いてもらえて……嬉しいことばっかりで。
心臓もばくばく言って破裂しそうなのに、

「……それで?次はどうだ?」

耳元に落ちてくる田中くんの声は、次のお願いを待ってくれてるみたいで……





もう私の心臓が保ちそうにありません……。


(だ、だって…この次って……その、あれしかない…よね?)



『…次……は、恥ずかしいから…いいです…。』

でもこれ以上先のお願いは…とても言えそうにないからと遠慮をすれば、

「…そうか、ならば言わずとも良い……。
だが、代わりに瞳を閉じろ…おなまえ。」


痛み等、俺様が優に忘れさせて遣る……。




距離が詰まったせいで声量が抑えられて、彼の声が一段と低くなったみたいに聞こえて……なんだか顔が熱くなってくる。
それに私を気遣うために言ってくれてるだけなのに……首筋にかかる彼の吐息も熱くて、なんだかのぼせちゃいそうで…。


今もどんどん胸が痛くなってるから……
その、いたいのいたいのとんでけ、は諸刃の剣のような気がするけれど、

…大好きな彼氏さんがそう言ってくれてるんだから、
甘えるのが彼女……で、いいんだよね…?


だから、

『……それ、なら……お願い、します…。』

そう彼の方は振り向かずに答えて、ゆっくり目を閉じる。




ぴたりと瞼を閉めれば、すぐに顎に手が添えられて、
思わずびくり、としてしまって少し身体を引いてしまえば、
お腹に回っている左腕がきゅっと、ちょっとだけ締められて。

大丈夫、って言われてるのか、
逃げるな、って言われてるのか、
どっちかはわからない、けど…

より強く目をつぶれば、そっと。
重ねられる彼の唇と、掛けられる不思議なおまじない。


『…ん、ぅ……ふっぁ…。』


…優しくて、甘くて、色々考えちゃってた頭の中が…真っ白になっちゃって。
感じるのは、田中くんと触れてる部分の熱さばっかりで……
本当に、痛みなんて…感じる暇もなくて。


『…ん、ぁっ…ふ、ぁ…っん…。』


舌がからめとられちゃった頃には…女の子の日なこと自体、忘れられちゃうくらいで…。







―でも本当は、付き合って、って…言っちゃったあたりには、もう痛みなんてすっかり忘れちゃってたんだけど…。


彼女にしてもらえて、気遣ってもらえるのも甘やかしてもらえるのも、すっごく嬉しくて幸せだから…

このまま今日だけは、まだまだ痛いって言って……甘えちゃいたいな、って。
おまじないだって、たくさんしてもらいたい……って。


そう思っちゃっても……いい、よね?







*****

えー…はい、そんなーこんなーでございまして……。
…うん、死刑宣告を受ける準備は万端です、いえすあいどぅ(崩壊)
はうあー!!本当にもうサイバーテロ並みの駄作で申し訳ございませんッッ!!!滝涙(土下座からの地球&頭蓋割り)

そしてせっかく最近は大人しかったのに…キス魔田中くんが降臨なさってますしね……凹。
でも井澤、夢だって信じてる!(潔く現実逃避すんな)

主人公ちゃんは田中くんの優しさの延長でのちゅーだと思ってますが……いやはや、覇王様に騙されちゃってますね(真顔)

あれ田中くんがちゅーしたくて仕方が無かっただけですからーっ!!(ぇ)そら主人公ちゃんが膝の上に乗ってて、田中くんが我慢できるはずなかったんですよ!!!(声高に言う事でもない&つーか元凶はお前だ)
あわよくば、ちゅーしてって言ってほしいの下心付ですしっ!!!(それは流石に待て)

…と、そんな俺様利己的覇王様なsideも書けたらいいな、とかこっそり井澤が思っておりますのは置いておきまして……(ほいっとな)
上記のような田中くんの残念部分の濃縮を、考察ページに収納させて頂きます事をどうかお赦し頂きたい次第です…。(おい、俺様どこ行った!?汗)

思いの外に長くなってしまいまして……重ね重ね申し訳ない限りです。。
それでも最後までお読み頂きました皆々様…本当に本当に有り難うございました!!(深々謝)

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