幻想
生れ落ちては、また君に。(スーダン・田中眼蛇夢/一万打感謝企画/成瀬様)
※お相手は田中くんです。一万打感謝企画リクエスト夢です!(成瀬様よりお題&リクエスト頂きました、本当に有難うございます!!)
※企画ございます同題名作と内容は同じでございます、申し訳ございません…(陳謝)
※場所は学校、絶望堕ち等はしておりません平和な学校でございます!(希望!希望!←オイ)
※主人公ちゃんも特に能力&容姿指定等ございませんので、皆々様のお力で可愛い子にして頂けましたら嬉しい限りです!!
※早速若干長めで井澤の有言不実行っぷりが申し訳ないです…あと左右田くんがけっこー喋ってます(さらっと言うな)
※このような感じで心苦しい限りですが…それでもご承諾頂けます皆々様がいらっしゃいましたら、お付き合い頂けましたら幸いの限りでございます。
*****
ソニアちゃん、左右田くん、田中くん、そして私。
1年生で同じクラスになって、自然とこの4人で過ごすようになって。
それからは、いつだって一緒だった。
何をするのも楽しくて、思い出も、この4人で過ごしたことばっかり―。
―高校3年、3月。
もうすぐ、卒業式。
進路は…案の定に、バラバラで。
ソニアちゃんは帰国。
左右田くんは電機工学。
田中くんは獣医学。
私は……英文学。
流石は天下の希望ヶ峰学園。
大学まで付属で……なんとなく…ずっと、大学生になっても、このままで居られるって、どこかで思ってた。
でも、今はこんなに仲良しだけど、ソニアちゃんはもうすぐ正式な王女様になって、距離も身分も遠い存在になっちゃって。
それに、理系と文系っていうだけでキャンパスまで違って……
なんか、私だけ…置いてかれちゃうみたい。
結局、この男女2人ずつの4人っていうのが、バランスよかったんだよね。
ソニアちゃんが留学生って時点で、この高校生活限定だって…解ってたはずなのに。
今年は…ソニアちゃんと田中くんとは、クラスも離れちゃったし。
余計に、みんなで居られる時間が限られてるみたいで…寂しい。
それでも、暦に逆らっては生きられないから、気付けば……。
「…もう来週なんだなぁ、卒業式…。」
卒業、という言葉にどうも敏感に反応してしまって、
『…え?あ、そう…だね。』
少し、声が、遅れる。
そんな私の反応の鈍さを逃さないとばかりに、左右田くんが声を荒げてくる。
「いやみょうじは解ってねーよ、卒業しちまうんだぞ!?
つまりソニアさんは帰国……もうこれで会えねえとかよぉ…オレ生きていけねーよ!!」
すごい剣幕だったから、さすがに怒られるのかと思ったら…ソニアちゃんのことでしたか。
いや、そこは生きようよ!
ていうか、私とのお別れも…もうちょっと悲しもうよ。
と……色々、色々言いたい事はあるけど、
『そうだよね……寂しいな。』
ソニアちゃんが帰っちゃうのは本当に寂しいから、うん、としみじみ返す。
「だよなぁ、みょうじもそう思うよなぁ?
…だったらどうにか、オレ達で引き止めねえか!?」
どうだ!?と意気満々な左右田くんには悪いけど、
『んーそれは…ソニアちゃん王女だし、国が相手になっちゃうよね?
下手したら国際級の犯罪になるし…難しいんじゃないかな…?』
ソニアちゃんの立場とか責任は、彼女自身が解ってることだし…私達が簡単に口出しできることじゃない。
だから、彼をやんわりと宥めておく。
「だああああくっそ!
そりゃそうなんだけどよぉ、やっぱどうにかしたいじゃねえか!!
あー…でも確かに、引き止められたところで犯罪者はまずいしなぁ……。」
なんか良い手はねえのかよ、と頭を抱える彼に、
私だってどうにかしたいけどね、と返してあげることしかできない。
でもこればっかりは味方できないんだ、ごめんね、左右田くん。
そう心の中でこっそり謝れば、唐突に、
「…じゃあせめて……本当に最後かもしれねえし…
…オレ、告白するわ。」
珍しくキリっとした表情で、どうやら本当に本気らしい。
『…うん、いいと思う!ちゃんと言っておきなよ、頑張って。』
そういうことなら背中を押してあげましょう!と応援すれば、
「おう!!
…よしっ、つーわけで…みょうじも付いてきてくれるよな?」
さっきの締まった顔から一変して、半泣きで縋るように言ってくる。
えええさっきの威勢はどこに?
というかなぜ私がそこまで面倒を見なければならんのですか。
『え〜…そこは自分で頑張ろうよ。
そもそも告白の時に女子連れてるとか…おかしくない?』
「はっ!!それも、そう、だな…。
でもよぉ…オレこういうの初めてだし、やっぱ怖えんだよ…。」
『でもみんな、1人で乗り越えていくんだよー。』
まぁ、私は告白した事ないけど、と笑って。
「なんかみょうじ冷たくねえか…!?
オレらだってあと少しで、こうして毎日は会えなくなるんだからよぉ。」
もうちょっとこうさ…色々あんだろ?と言われて、
『ん、そう、だね。』
忘れられてる訳ではないらしい、と嬉しいけど…
やっぱり辛くて、声のトーンが下がってしまったのが…自分でもよく解る。
そんな私に気付いてか、
「…ま、オレらはキャンパス違うっつってもどうせ都内だし、また集まりゃいいよな!!」
なっ!と大きく歯を見せて、ニッと笑ってくれる左右田くんに、
『…うん!』
と、そう元気よく返して、笑って。
…そうすれば、その後はただ、楽しい日常に戻れる。
――
だけど、私は、本当は…不安でいっぱいで。
みんな忙しくなって、私なんて忘れちゃうんじゃないかって。
こういうやりとりができるのも、あと1週間。
もちろん、あっという間で。
今日は、卒業式。
式が終わっても、ソニアちゃんが帰国するまではみんなで遊ぼうって、決めたから。
今日だって、この後は4人で集まるから。
多分私が泣くのは…ソニアちゃんのお見送りの空港なんだろうなぁ…。
そんな事を考えていれば、意外にも式は早く終わって。
クラスのみんなも大体は付属大学に行くけど…
蜜柑ちゃんが泣き始めちゃって、結局みんなでもらい泣きして…。
一頻り泣いて、騒いで、それでも最後は笑顔で写真を撮って―。
―そして解散した後は……本日の、メインイベント。
(……左右田くん、ファイトっ!!)
付き添いは断ったものの、
「頼むよ、みょうじ!
せめてソニアさんが来るまででいいからさ、どっか近くに居てくれよ!!」
どうしても心細いと彼が言うので、近くで見守るというか…彼が逃げない為の見張りというか、そんな役目を頼まれてしまって…。
確かに左右田くんがちゃんと告白できるかちょっと心配になって…思わず請けてしまった訳で。
とりあえず校舎裏でソニアちゃんを待つ彼を、校舎越しに見守っている、傍から見たらちょっと危ない気がする状況下。
(でもこれも友情だよね…!
えーと…約束は15時だから、あと5分位。)
緊張してます、と大きく顔に書いてある左右田くんが、たまにこっちに視線を送ってきたり、よく解らない動作をしてくるのに、
まだ居るよー、と軽く手を振って応える。
そんなやりとりを数回繰り返していれば、ソニアちゃんが約束通りに来てくれて、ピシっと固まったような左右田くんの姿にまた心配が募るけど…
(…さすがにこれ以上はお邪魔だよね。)
よし、移動しよう!と思ったところで、
「…ここに居たのか、みょうじ。」
『ひゃっ!?』
…急に声を掛けられて、心臓がどくっと跳ね上がる。
「……どうした?」
『あ、田中くんかぁ…もー驚かせないでよー。』
振り返ってみれば、いつも通りな覇王ファッション(?)に、卒業おめでとうのお花を着けた田中くんが立っている。
「…む、済まん…驚かせる気は無かったのだが…。
……しかし随分と取乱しているようだな…何かあるのか?」
そう言って、校舎裏を覗こうとする田中くんを慌てて止める。
『ううん、な、なにもないよ!
さ、さっきまで…花壇に、小鳥が居たんだけど…私がすごい声出しちゃったから、逃げちゃって…。』
なんとなく田中くんは事情を知らないみたいだから、なんとなくソニアちゃんと左右田くんの為に内緒に、と思って…しどろもどろながら誤魔化しておく。
「…そうか、魔鳥が居たか…。
それは俺様も、共に観たかったところだな。」
残念だ、と動物の話をしたからか、優しい顔つきになる田中くんに、
(うう、田中くんごめん、本当は鳥さんなんて居なかったんだよ!
南国鳥みたいに派手な配色の男子なら居るんだけど……。)
罪悪感がどしっと圧し掛かるけど…事が事なので、
『うん、ごめんね、私が驚きすぎちゃったから…。
多分もうしばらくは来てくれないだろうし、田中くんも鞄、教室に置いたままだよね?』
取りに戻ろうよ、と声を掛けて、彼の前を歩いて行く。
―はずだったのだけど、
ほんの2歩程度前に出たところで、
「…待て、みょうじ。」
ぱしっと、左手を掴まれて、田中くんに引き止められる。
…………え?手、掴まれてる?
た、田中くん、どうしたんだろう…!?
…そ、そりゃ…いくら田中くんが「俺様に触れるな」って言ってたって…
偶然ぶつかっちゃったり、私が転びそうな時にとっさに支えてくれたり、とかはありましたよ……?
で、でも、この3年間で、彼から意図的に触れられた事は…私の思いつく限りではないというか……。
……あ、もしかしてなにか地面に落ちてる、とか…?
きっと田中くんの事だから、助けてくれたんだよね。
そう思って地面を見ても…特に、なにもなさそうで…。
普通に、いつも通り、『どうしたの?』って聞けばいいだけなのに、なんだか掴まれている感覚が、思いの他に強くてですね……。
変に緊張してしまって…振り返ることも、声を出すこともできなくて。
ど、どうしよう…と軽く途方に暮れ始めたところで、
「みょうじ。」
『…っ!?』
また彼に名前を呼ばれて、引き止められて。
やっぱり私に用があるみたいだと解る。
な、なに…?と、なんとか笑顔を作って、ゆっくり振り返れば、
「好きだ。」
たった、一言。
すごく、シンプルというか、直球というか。
…田中くんは、こういう嘘を吐いたり、からかったりする人じゃ…ない。
とは…解ってるんだけ、ど…
『…田中くん…それは……告、白…でしょう、か…?』
あまりにも急過ぎて、彼のストレートを見送ってしまう。
だって、私は…左右田くんの告白を見守りに来た訳で、
告白される準備なんて…してなかったから。
1球じゃ、とても受け止めきれなくて。
バカな質問をしてしまう私にも、
「……ああ、もちろんだ。」
田中くんはフッと優しく笑ってくれる。
こ、これは…やっぱり……。
と自覚してしまえば、全身が熱を持ち始めて、結局、また言葉が出ない…。
そんな、2球目のストレートまで見事に見送ってしまった私を見て、
彼はなにを勘違いしてしまったのでしょうか。
「……未だ、貴様には届いておらんようだな…?
ならば、俺様がどれだけ貴様を想っているか……此れから刻を掛け、教えて遣るとしよう。
…幾度と転生を繰り返したとて…俺様は必ず、貴様を捜し、逢いに往く。
……もう、俺様には…貴様と離れる先等、考えられんのだからな。」
…私が構える前に、放り込まれた3球目はまさしく魔球。
流れる言葉に気を奪われている間に、
取られたままの左手を引き寄せられて、
添えられるのは彼の唇。
「……好きだ。
愛している、おなまえ。」
落ちた彼の唇の感触も、
彼が私に投げた全ての言球も、
受けるのは私の左手、
ミットの中。
生まれ変わっても離れたくない、なんて…
口付けまで添えられて、
まるで……誓いの言葉みたい。
どこか、遠い風景を見ているようなのに…
見送るどころか、全部全部、左手から心にバシンと入っているようで…。
こんなに想われて、嬉しくない……訳もなく。
……いつの間にか、私の立ち位置も、キャッチャーへと移ってしまっていたようです。
だから、
『あ、ありがとう…田中くん。
その、すごく…嬉しいから………私も、離れたくないんだと、思う…。』
なんとか声を絞り出して、そう言って。
優しく笑う田中くんの顔が見られたのはほんの一瞬。
「…ならば離れなければ良い…。
……まぁ、もう放して遣れそうも無いがな…。」
ぎゅっと包み込まれて彼の体温に触れて、
一気に恥ずかしさで熱る顔がまた恥ずかしくて、
しばらくこのまま彼の胸を借りて、
顔を埋め隠すことに甘えてしまうのです。
終
*****
感謝企画リクエスト夢第一弾、という事で…僭越ながらUPさせて頂きました。
頂きましたお題は、「田中くん」に「卒業式」に「告白される」でございました、有難うございます!!
そしてテーマと申しますか、キー台詞として「生まれ変わったらまた君に会いに行こう」という素敵ワードも頂戴しておりましたのです…!!(キリリッ)
ですが…成瀬様、申し訳ございません。。
心よりお詫び申し上げます(陳々謝)
…とりあえずアイアンメイデンとか入っておいた方がいいでしょうか(真顔)
キー台詞…上手く盛り込めず本当に申し訳ございません…涙。。
しかも「生まれ変わったら」ではなく、「生まれ変わっても」ですよね…これ……。
そして野球ですからね…野球とか…野球とかぁぁぁ(頭抱え)
女子の皆々様ではお詳しい方少ないですよね…もう井澤の頭がバカ過ぎるのでやっぱり一回死んで治さないとですよねごめんなさい…(それで治るレベルじゃないだろ)
更にもしかしましたら続きを書かせて頂いてしまうかもしれな…何でもございません(閉口)
内容の酷薄さにだらだら後書まで本当に申し訳ございません…。
最後までお付き合いくださいました皆々様、誠に有難うございました!!感泣!!
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