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幻想
St.Valentine's day 2014〜ノイトラ様の場合〜(BLEACH・ノイトラ)
※お相手はなんともビックリな事にノイトラ様です。
井澤自己満乙ですね申し訳ございません(土下座)

※2014年バレンタインデーおめでとうございます夢、です。何がどう御目出度いって井澤の頭が御目出度いんだと思います。(とりあえず恋する乙女な皆々様に、誠心誠意お詫び申し上げます。)

※主人公ちゃんは人間サイズですが破面です。そもそもノイトラ様(215cm)といい感じのサイズとか井澤にはさっぱり解りませんでした(真顔)
その他はノイトラ様ゾッコンラブ以外の設定はございません。(キリッ)

※ノイトラ様でも良い、むしろノイトラ様に罵られたい!あしらわれたい!!という井澤分子をほんの爪の垢程でもご理解頂けますお優しい方々がいらっしゃいましたら…どうか、お読み頂けましたら幸いの限りです。



*****



…決戦は、奇しくも本日金曜日。
私は今日、負けられない戦いがあるのです…。


バレンタインどころか、人間のイベント事にはきっとこれっぽっちもご興味がないだろうノイトラ様。

しかも甘いものは苦手。



だから受け取って頂けるだけでいい。

告白だなんて、そんな恐れ多い事は出来ません…。

でももし、1つでも召し上がって頂けたら…最高だなぁ…。



そんな妄想だけで幸せな気分になれる程、私はノイトラ様が好きだけど…
そもそも、普通の人間程度の背丈の私は、ノイトラ様と並んだら子どもみたいなものなので、恋愛対象外な事は、泣きたい位に解ってます。



それでも、一応作ってみました手作りチョコ。

これを挑まず捨てては可哀想なので…

それはもう、当たって、砕け散り飛ぶまでの覚悟も、できてますっ!!




敵は、虚夜宮に在り、です!!




…って、ここも虚夜宮なんですけどね。


一人虚しく自分に突っ込みながら、勢い良く廊下へと繰り出して。


ノイトラ様の宮まで行こうと、長い長い廊下を歩く事数分。



(はっ!

あ、あの…後ろからでは全くお顔が拝見できない忌々しい丸襟はっ…!!!)


ま、丸襟じゃなくても、お姿ですぐに解りますけどね!


『ノイっトラっ様ーっ!!』

捜し求めた彼に出会えた事が嬉しくて、お隣までとたーっと走り寄れば、

「…うるせェ、バカでけえ声出すな、聞こえてる。」

私をちらりと一瞥して、チッと舌打付で罵ってくださいます。
うん、今日はとってもご機嫌が良さそうです。

(ご機嫌ナナメな日は、答えてすらくださらないですからねっ。)


このご様子なら…、と早速当たってみる事にします。

『あの、あのですね、実は、今日は、バレンタインなる日でしてですね?

…だから、その、チョコなど…作って来てみたのですが…。』

「…はぁ?てめえが作ったのかよ?」

『はい、その通r「要らねえ。」

大体、俺が甘ェもん好きじゃねえ事位知ってんだろ?

ギロリ、と見下されるのは堪らないのですが、
いくら砕ける準備万端とはいえ、ここまで食い気味に拒絶されますと…流石の私も泣きそうです…。





…ふ、ふふふ。

いえ、でも、これ位は想定内なのです。

出でよっ!
ノイトラ様にお断りをされた時の為のマル秘マニュアルっ!!(もとい、カンニングペーパー!)


依然カツカツと、私を置き去りに歩き続ける彼へと駆け寄って、マニュアルNo.1を実践です。

『…あ、あの、もちろんノイトラ様が甘いものがお嫌いなのは知ってますよ?
なので、カカオ89%のバッチリビター!さらにコーヒー風味でとってもブラックな仕上がりにですね!!』

「…まずてめえが作った時点で、喰えたもんじゃねえだろうが。」

『…え?そこからダメでしたか?』

「そこからも何も、そこが問題に決まってんだろ。」

ハン、と。
嘲笑されて、またもどんどん置き去られていく感覚…。



…に、悦に入っている場合ではありませんね!



そう、所詮私が作ったものなので…それ位、言われます事と解っておりましたとも!!


ですが、今日の私はまだ…諦めないのです!

慌てて先に進む彼を追い掛けて、マニュアルNo.2の実践に移ります!

『い、いえ!でも!栄養価もすっごく高いですし、最悪の事態に備えまして非常食に…。』

「あ?んなもん、人間共の話だろ?そもそも俺らとじゃ食料が違えだろうが。」

そこで一度横目で睨まれて、

「…第一、だ。
俺に最悪の事態、なんて無え。」

そうキッパリと言い切られては、確かに非常食理論は大崩壊です…。

『う…そう、ですね…。』

ここで彼のご機嫌を損ねてしまう訳にはいきませんので、
ごめんなさい、と謝れば、

「…解りゃァ、良い。」

意外にもお咎めなしで…。



…今日のノイトラ様は、どうしてしまったのでしょうか。

お優し過ぎて…なんだか、おかしいです。


でも、それでも…そんなノイトラ様が、また素敵で。
ますます好きになってしまうではないですか。




やっぱり、やっぱり…私まだ、諦めたく…ない、です。



『ノイトラ様…っ!!』

あ、あのっ私、…と。


やっと追い着いた頃には、すでにノイトラ様は自宮の前に立たれていて。

これ以上お引き留めしていいものか、と。
躊躇して言葉を切ってしまえば、

「…何だよ?
用があるなら…早くしろ、おなまえ。」

そうそっぽを向いて、口をへの字に曲げながらも、
声を掛けて…待ってくださるなんて。



…ああ、やっぱり、今日のノイトラ様は本当におかしいです。

でも、今すごく…嬉しい、です。




なんだかいつもと違うノイトラ様のご様子に、
ちょっと変に照れてしまうというか、頭の中が真っ白になってしまう。

(…あ、えっと…どう、しよう…。

せっかく、待ってくださってるのに…なんて、言えば…。)


ぐるぐるとパニックで高速回転中の思考回路に、

「…オイ、早くしろ。」

ノイトラ様のお声が紛れ込んで驚いて、

『あ、あのっ…私、チョコ、を…受け取って…頂かない、と…

その…こ、困るんですっ…!!』

咄嗟に叫んでしまった理由が、とっても間抜けで自分でも残念です…。


何がどう困るのか、とか。
受け取って頂けたらどうだ、とか。

すぐに答えられるような器用さ私にはなくて…。


「…は?」


ノイトラ様の呆れられるお声の冷たさが、2月の夜風なんか目じゃない程です…。



せっかくお待ち頂いたのに、私は何を言っているのでしょうか?
もう少し、もう少し上手く出来れば、受け取って頂けたかもしれないのに。



…砕け散る覚悟はしてました。

でも、こんな…こんな終わり方は、予期してはいませんでした。


しっかりとチョコの箱を握り締めたまま、俯いていれば、


「……困る、な。

…解った、貰ってやる。」


ほら、寄越せよ。


と、扉に寄り掛かられたままのノイトラ様から、手が差し出されるのは…夢では、ないのでしょうか?

『あ、え……ノイトラ、様…?』

まさか、と伺い見れば、イライラと。

「…だから、貰ってやる、って言ってんだろうが。」

ノイトラ様の大きな手が、私を呼ぶように動かされて、
その動きに合わせてカシャリと揺れる腕輪の音も、本物なようです。



その音に突き動かされて、

『あ、…は、はいっ。』

ずっと握り締めてたせいで少し温まってしまった箱を、
ちょっと緊張しながらも…ずずいっとノイトラ様に差し出せば、
右手でひょいっと軽く、取り上げられるように。



…受け取って、頂けた。





でも…きっと、ただの気まぐれなのでしょう。

大方、私の作った酷いチョコが見てみたかった、とか…そんな理由に違いないのです。


それでも、受け取って頂けた事が嬉しくて、思わず頬が揺るんでしまいます。

まじまじとチョコの箱を眺められるノイトラ様のご様子にも、どうしてもにこにことしてしまえば…
一通り眺め終わられたノイトラ様の視線が、ギっと私へと戻られます。


「…で、てめえは救われたのか?」

『…?』

はて、何のお話でしょう…?


「…オイ、俺が貰わなきゃ困る、って言ったのはてめえだろうが、おなまえ。もう忘れたのか?」

ハッ、てめえは本当にバカだな。


罵られるそれすらも、今日はどこかお優しい…。
まさか、私の為に受け取ってくださったとは…!!

『あ、はい!もちろんですっ!』

もうなんだか嬉しいばかりで、どうしようもなくて。
笑顔でそう答えれば、

「…フン、そうかよ、だったらもう良いな?

…やるよ。」

ほらよ、と。


…受け取って頂けましたその箱を、そっくりそのまま、中身も見ずに、突き返されてしまいました。


『……え?え?あの、ノイトラ様…?』

「あ?俺がやるって言ってんだ、遠慮なく貰えよ?」


え、それは、やっぱり…
私のチョコは、要らない、って事…ですよね…?


そっそうですよね!

なんで私、そんな単純な事に、気付けなかったのでしょう、か…。


ちょっとだけ無理に笑顔を作って、

『ご、ごめんなさい、私…すっかり受け取って頂けたものだと…思い上がってしまいました。』

そんなはずありませんよね、とまた笑って見せれば、
少し罰が悪そうなお顔をされて、

「あー…何だ、そいつは俺が一度貰ってんだから、俺のもんだろ。

だから…アレだ、逆チョコ、ってやつだ。」

『…へ?』

ぽりっと頬を掻かれて、外され気味な視線も、どこかノイトラ様らしくいらっしゃらなくて。



…え、っと、ノイトラ様?

それは…意味は……解っておいでなのでしょうか…?

すっかり呆けてしまえば、隙だらけな私の両手へ、しっかりチョコの箱が返されて。

「…持ったな?

ま、とにかくだ…これで俺はてめえにやったんだから、てめえは俺に返さなきゃならねえよな?」

ニィっと薄く笑われれば、いつもの悪いお顔に戻られて。

私がお渡ししたチョコを、そのまま私に返されて、
それでお返しまで要求されているという事態。






おかしくて、理不尽で。

…やっぱり今日も、ノイトラ様は素敵です。



正式な逆チョコではなくとも、お返しを望み待って頂けるなら…
それだけで、私はとても幸せで。

有無を許されない問いかどうかも関係なく、私の答えは決まっていて、


『…はい。』

とはにかみ応えれば、満足されたように口端を更に長く引いて笑ってくださいます。


その笑顔を頂けましただけでもう、最高のバレンタインです…。


だから余計ににへらーっと、抑えきれない笑顔でノイトラ様をお見送りさせて頂けば、


去り側に、がっと頭を掴まれて引き寄せられて。


「…ま、返すってんなら、次はもっと俺が悦ぶもんにしろよ?」

…てめえとか、な?




いつも通りにそれは不遜に、
でもいつもより自棄に近くで、
更にいつもよりどこか熱い声で、
残されたお言葉……が、なんだか、やっぱり、おかしい、です。




(…こ、これ、は…一体…

どういう、事なので、しょうか…?)



しばらく、ノイトラ様の宮の前から動けずに。


……ノイトラ様が、お返しに、私を……?

それは、つまり、その…そういう…意味、でしょうか……?///



いやいや、そんなばかな、です!
きっと扱き使ってやる、とかそういうのです!


でも、でもっ。
もしかしたら、もしかしたりしてしまったりもしたりするのかもしれませんしっ!


そんな問答を繰り返しては、一人でわーわーと。
ノイトラ様に返された(頂いた?)チョコの箱と、
ノイトラ様が入られた扉を交互に見ながら、
今日もまた、ノイトラ様に恋をしてしまうのです。


(うう、解らない、お聞きしたいっ。

でも絶対に教えてくださらないだろうな…そんなところも素敵なんですけれど…///)







―――

おまけ。



廊下でおなまえさんと話されていたノイトラ様が部屋へと入られて、
一目散にソファーへドカっと座られては、何事も無かったように装われている。


(…まぁ、僕は知ってるんだけどな、大体の事。)

そんなノイトラ様のご様子よりも、僕には正直気に掛かっている事がある。

「…ノイトラ様、このおなまえさんへのチョコ…どうされますか?」

「あ?……処分しろよ。
それか…てめえから、おなまえに渡せば良いだろ。」

俺が知るかよ、と。
僕に悪態を吐かれても困るんだけどな…。

「…ですが、せっかく用意されたのですから、やはりノイトラ様がお渡しになった方が…。」

「…うるせェ。

…チッ!そもそもあいつが…あんなもん持って来やがるから悪ィんだ。」

計画も、調子も、狂っちまった。


そう忌々しそうに言われているものの、どこか不機嫌さは見当たらない。

…まぁ、無理矢理おなまえさんに押し付けて、お返しとして色々無理難題を要求するはずだった事を思えば、彼女にはこちらの方が良い結果だったのだろうけれど。

それでも、せっかく頂いたものを…わざわざ返されてしまうとは。
我が主ながら、どうしてこうも天邪鬼なのか。
このチョコだって、それこそいつものように屁理屈を捏ねて、渡してしまえば良いのでは?


はぁ、と自然と溜息を吐いてしまえば、ギロっと睨まれて、

「…解りましたよ、僕が渡して来ます。」

「…フン、そうかよ、好きにしろ。」

こちらを見ずに送り出される訳だけど、
好きにしろも何も…貴方が僕に渡して来いと言ったんでしょう。


…でも、そうだな。
僕の好きにして良いなら、そうさせて貰いますよ?




扉を開けて長い廊下へと踏み出せば、遠いながらも彼女の姿を捉えられる。

…ついさっきまで、扉の前に居たって感じだな。

なんというか、解り易いお二人だ、と少し笑ってしまう。


ちょこちょこと歩いている彼女に距離を詰めて、

「…おなまえさん。
これ…ノイトラ様からです。」

にこやかに、主からだと告げてしまう。
だって…僕の好きにして、良いはずだからね。

『テ、テスラ様!?

…っと?私に、ですか?
ん?…えっ?ノイトラ様……?』

それはもう、どうしてか解らない、と不思議そうに眺めてくる彼女へ、

「…どうせ子ども舌なおなまえには、そのチョコは苦過ぎるだろうから、と。
口直しにしろ…っていう事みたいだよ。」

それらしい理由を吹き込んでしまう。

『あ、え、そ、んな……ノイトラ様が、そんなお心遣い、を…?』

かああっと赤くなっていく彼女の反応がとても可愛らしくて、
ノイトラ様の為とはいえ、何でここまで僕がしなければいけないんだろうかと、ふと思ってしまう。


(きっと僕からだと言って渡したら、こんな顔はしてくれないんだろうな。)


少し悔しいというか、残念というか。

「…うん、きっとノイトラ様も…おなまえさんからチョコを貰えて、嬉しかったんじゃないかな?」

だからわざと、ノイトラ様に反するようにそんな事を笑顔で言いのける。

『そ、そうでしょう、か…?
でも…これでは、本当に、お返ししないと、いけないですねっ…。』

困りました、と言いながらも…すごく嬉しそうに彼女が笑って。


なんだろうな、もう…早く、二人で、どうにでもなってしまえば良い、と。
なんだかそんな思いになってしまう。


「…そうだ、一度は貰って頂けたんだし…。
ノイトラ様に、食べてもらったらどうかな?
食べて頂けないと困るんです、って…言ってみるとか。」

僕も一緒に行くから、と。
思い付きと言えば思い付きだけど、本当はノイトラ様もそうしたかったんだろうしね。

『っ!!
で、ですが…さっきは、…結局返されてしまいましたし…。』

「さっきはまともに理由も言ってなかったからね。
食べて貰えないと虚夜宮から追放されるとか…いっそ大袈裟に言ってみれば良いんじゃないかな?」

後込む彼女に悪知恵を授ければ、ノイトラ様の困る顔が浮かんでいくようだ。

『…うーん、、そう、ですね。
…もしそれで、召し上がって頂けたら嬉しいですし…。

はい、頑張りますっ!』



僕の口車にすっかり乗って、
ふんふんと、やる気に満ちた彼女を連れて、ノイトラ様の宮へと戻る。


「…戻りました。」

おなまえさんも一緒ですよ、と言う前に、

…なんでてめえがおなまえと居んだよ?

そう言いた気な視線が送られて、苦笑で答えれば、彼女へとノイトラ様の視線が移っていく。


その視線を受けて、
僕の後ろに隠れるようにしていたおなまえさんがおずおずと前に出れば、

『あ、あの…何度も……申し訳ありません。

ですが…ノイトラ様、その…実は…。』

私、このチョコを召し上がって頂かないと困るんです!


僕が教えた通りに実践をして。

更に、

『あ、それと…こちらのチョコ、有り難うございますっ。』

嬉しいです、と笑う彼女に、

「…ッ!テスラァッ!!てめえ…おなまえに何言いやがった!?」

ノイトラ様が取り乱されるのも、無理はないんだろうけれど。



これは後が怖そうだな…と思いつつも、チョコ1つを巡っての二人の遣り取りが微笑ましくて。


(…早く素直になられた方が良いのに。)


それじゃ進展しませんよ、と。
心中で助言して、

「…それより、おなまえさんが追放されても良いんですか?」

まずは一向に素直になれないノイトラ様に、
食べて貰いたい、と願う彼女の為にも、
助け舟を出す事にしよう。






おまけ・終


*****


ハイパー井澤満足型ノイトラ様夢でございました申し訳ございません…(額打×無量大数)

なんだろう、ね…うちのノイトラ様は意外と奥手です(なんの報告だ)
でも俺様、というジャンルに於いて…うん、解り易い人なんですよ…!!!焦。
だので、もし、もし、お付き合い頂きました方々の中で、ノイトラ様的俺様も…結構好きだなぁ、と思って頂けます方がいらっしゃいましたら、もう、それだけで…感涙です…。。。

しかしおまけのてっすん(テスラ)うっざいですね!!!(いやそれ書いたのお前)
でもバレンタインって…当事者より周りが楽しいものだったりしますよね……てっすんもっと頑張ってノイトラ様を幸せにしてあげて…(何言ってんだマジで)

とりあえずこの辺に致しますね…残りのノイトラ様語り(もとい俺様語り)はまた別頁に落とさせて頂いてしまおう、かな…本当に申し訳ございません…。。。

急なノイトラ様夢でしたが、最後までお付き合い頂きまして有難うございました。
感謝、感激でございます。
それでは皆々様、、、ハッピーバレンタイン、です!

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