誰かに聞いた怖い話
・・・身近な恐怖(壱)7
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私が管理人さんから、その部屋の住人に目を向けた時に記憶してしまった光景は、それから十数年経った今でも鮮明に覚えていて…私は今でも、肉を食べる事が出来ません…

そればかりか、魚も生のままの状態を見ると、胃がむかむかして食べる事が出来なくなりました…

ですから…本当はあの時の光景は思い出したく無いのです…だからその場で何を見たのか客観的に表現するだけにします……その場に居たと思って、頭の中にその場面を思い浮かべてみて下さい…





リビングのソファーの…私達からは見えなかった床には、大きな熱帯魚…多分アロワナの死骸が横たわり、その魚が入っていたであろう大きな水槽が砕けて大量の水が流れ出した跡がありました…

床にはテーブルの上に置いてあったのであろう、丸く分厚いガラス製の灰皿や、変わった置物型のテーブルライター、それに死の直前迄手入れをしていたらしいゴルフクラブなどが、あちこち乱雑に転がっている状態でした…

そう…まるで何かに投げつけたみたいに…



そしてさっきは気付きませんでしたが、壁に描かれていた模様と思っていたモノは、模様ではなかったのです

それは何かが壁を這いずり回ったような跡でした…

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あきゅろす。
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