誰かに聞いた怖い話
61話…百人浜14
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『…』
『急に黙って、どうしたんだい?』
『君の話は終わったんだろう?僕が話しても良いのかな』
『んっ?』
病院長の息子と旅行好きの友人との会話の途中で、何故か考え込む表情を見せ沈黙していたサーファーの彼は、病院長の息子の突然の問い掛けに慌てて顔を向けたのでした
『すまん!一寸気になる事を、思い出したんでな…』
『気になる事?』
私は彼の浮かない顔を覗き込む様にして、サーファーの彼に尋ねたのです
そしてサーファーの彼は、焚き火の炎の揺らめきを映した八つの瞳に見つめられながら、思い出したその気になる事を付け加えたのでした
『さっきの話は、北海道から転勤して来た人から聞いた話だったんだけどな…この体験の後、ふと気が付くと知らず知らずの内に、あの浜へ向かって車を走らせていた事が度々あったそうなんだ…こっちに転勤して来てからは、幸いな事にそんな事は無いそうだけどな…何かに呼ばれてたのかな?やっぱり…』
『そうかも知れないね…でも、遠く離れたんなら影響は無くなるんじゃないの?地縛霊ってさぁ、その場所に未練や怨みがあってそこに取り憑いた霊でしょ、大丈夫だよ…きっと!』
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