誰かに聞いた怖い話
56話…愛娘の死
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『この事故を目撃していた人達がいたんだ…それは彼女達の車の後ろを走る、乗用車に乗っていた夫婦だった』
『夫婦達は目の前で起こった事故に狼狽しながらも、道路脇に車を停めて怪我人の様子を見に駆け寄ったそうだ』
『大丈夫ですか!怪我は無いですか?』
従姉妹達の車の後ろを走っていた車の男性が、その場に呆然と立ち尽くす男性に声を掛けていた
事故に遭った乗用車に乗っていた男性は、その時既に車から降りて軽自動車の中を覗いていたんだ…
『私は…でも…』
『大丈夫で…!』
軽自動車の中を覗き込んだ夫婦と男性…呆然と佇む彼等の目前には、怪我らしい怪我は見当たらないのに、既にぴくりとも動かなくなった従姉妹達の姿があった
『あれっ…後ろに乗っていたお婆さんは?』
『私はその場所には居なかったから…人から聞いた話なんだが…その目撃者の一人…助手席に乗っていた夫人が、そんな事を言っていたそうなんだ』
『お婆さん…それってやっぱり…』
『この事故の後で、又、あの噂が皆の口から流れ出し…雑誌のオカルト談にも、猫の呪いか?などと…』
『私は怖れた…今度は私達の番じゃないのかと…』
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