誰かに聞いた怖い話
・・・続白い乗用車8
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『キャーッ!何よこれ!』
『ウワーッ!お、おい!早く車を出せよー!』
『……』
『ウワッ!こっちにも…』
『だって!…動かないんだもん…』
『…イヤァ!』
……真っ暗闇の中、急にエンジンが止まって、車内灯すらつかなくなってしまった車内で…
俺達は言いようの無い恐怖を味わっていた……
何故こんな事に?どうして?…
俺の心は恐怖に押し潰されそうになりながらも、一方頭の中では今ここで起こっている出来事を冷静に…且つ客観的に見詰めている自分がいた…
最初は、俺の車でトンネルに入ったのだった…
助手席には俺の彼女が座り、リアシートには彼奴と彼奴の彼女が座った……
ふと彼女の横顔を見ると、緊張の為かさっきの様に青ざめていた…
俺は連れて来て可哀想な事をしたかな?…と少し後悔をしていた…
『よし、先ずは俺の車で試すぞ…』
そこは何の変哲も無い、小さなトンネルだった…
噂を聞いて知っていなければ、たぶん知らずに通り過ぎてしまうだろう…
『おう、先ずは止まらずに走り抜けてくれ』
『じゃ、入るぞ!』
俺は車のスピードを30q/h程度に抑えて、そのトンネルの中に乗り入れた…
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