誰かに聞いた怖い話
・・・続白い乗用車8
.
『キャーッ!何よこれ!』

『ウワーッ!お、おい!早く車を出せよー!』

『……』

『ウワッ!こっちにも…』

『だって!…動かないんだもん…』

『…イヤァ!』

……真っ暗闇の中、急にエンジンが止まって、車内灯すらつかなくなってしまった車内で…
俺達は言いようの無い恐怖を味わっていた……

何故こんな事に?どうして?…

俺の心は恐怖に押し潰されそうになりながらも、一方頭の中では今ここで起こっている出来事を冷静に…且つ客観的に見詰めている自分がいた…





最初は、俺の車でトンネルに入ったのだった…

助手席には俺の彼女が座り、リアシートには彼奴と彼奴の彼女が座った……

ふと彼女の横顔を見ると、緊張の為かさっきの様に青ざめていた…

俺は連れて来て可哀想な事をしたかな?…と少し後悔をしていた…

『よし、先ずは俺の車で試すぞ…』

そこは何の変哲も無い、小さなトンネルだった…

噂を聞いて知っていなければ、たぶん知らずに通り過ぎてしまうだろう…



『おう、先ずは止まらずに走り抜けてくれ』



『じゃ、入るぞ!』

俺は車のスピードを30q/h程度に抑えて、そのトンネルの中に乗り入れた…

[前頁へ][次頁へ]

37/93ページ

[戻る]


第3回BLove小説漫画コンテスト開催中
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!