誰かに聞いた怖い話
・・・古都17
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『おい、頼まれてたフィルムの現像出来てるぞ』
『おっ、悪いね』
『今日持って行くからさ、夜は家に居るよな?』
『うん、居るよ』
『じゃあ…約束のモノ…』
『わかってるよ、ちゃんと用意して置くから…それにしても、結構ミーハーなんだな』
『ほっとけ!好きなものは好きなんだ!じゃあな』
『じゃあ』
彼は、引っ越しの多かった僕の、数少ない友人の一人だった
彼は、学校の写真部に所属していて、旅行の好きな僕とは気の合う所が多々あって、偶にフィルムの現像や写真の焼き増しを頼んでいたのだ
『あっ、そう言えば…今回はいつもとは大分違った、珍しい写真だったな』
『?』
『おっと、いけね、遅れる遅れる』
『気を付けてな』
僕は彼を見送りながら、そんなに変な写真を撮った覚えが無いのだけれど…と、気にはなっていたんだ
『じゃあ、これな』
彼はそう言いながら、僕に一つの封筒を差し出した
『まぁ、上がれよ』
『おう、お邪魔しまーす』
『他には誰も居ないよ』
『…?』
『おい、約束の写真は?』
『ああ…そこに…』
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