誰かに聞いた怖い話
・・・古都17
.
『おい、頼まれてたフィルムの現像出来てるぞ』



『おっ、悪いね』



『今日持って行くからさ、夜は家に居るよな?』



『うん、居るよ』



『じゃあ…約束のモノ…』



『わかってるよ、ちゃんと用意して置くから…それにしても、結構ミーハーなんだな』



『ほっとけ!好きなものは好きなんだ!じゃあな』



『じゃあ』

彼は、引っ越しの多かった僕の、数少ない友人の一人だった

彼は、学校の写真部に所属していて、旅行の好きな僕とは気の合う所が多々あって、偶にフィルムの現像や写真の焼き増しを頼んでいたのだ



『あっ、そう言えば…今回はいつもとは大分違った、珍しい写真だったな』



『?』



『おっと、いけね、遅れる遅れる』



『気を付けてな』

僕は彼を見送りながら、そんなに変な写真を撮った覚えが無いのだけれど…と、気にはなっていたんだ





『じゃあ、これな』

彼はそう言いながら、僕に一つの封筒を差し出した



『まぁ、上がれよ』



『おう、お邪魔しまーす』



『他には誰も居ないよ』





『…?』



『おい、約束の写真は?』



『ああ…そこに…』

[前頁へ][次頁へ]

37/97ページ

[戻る]


あきゅろす。
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!