誰かに聞いた怖い話
・・・続いた凶事7
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『先ず初めに犠牲になったのは…私の父と祖父、祖母、そしてあの猫を殺した伯父の夫婦の五人だった』
『そんなに一度に!』
『いったい何があったんです…事故…ですか?』
俺は彼奴と一瞬顔を見合わせ、どちらからともなくおじさんに尋ねていた
『いや、事故じゃ無い…事故なんかじゃあ無いんだ…』
ミーコの父親は腕を組み、一度瞑った眼をゆっくり開けると、何処か遠くを見つめる様な目をして語り始めたんだ
『あの日私の両親達は、泊まり込みで山の出湯へと出掛けていたんだ』
『もう…奥深い山里は秋も深まり錦秋の時季を迎え、朝夕の厳しい冷え込みが錦繍の山々を、更に鮮やかに観せていたに違いない』
『山里は私達の住む町とは違って、短い秋の直ぐ後には厳しい冬の訪れを待つばかりだった…』
その日の旅行は、祖父の誕生祝いにと伯父夫婦が考え、招待したものだった
『私達家族と、伯父の一人娘は生憎と都合が悪く、祖父達とは一緒に旅行には行けなかったんだ』
『それじゃあ、そこで何かあったんですね』
『いいや、この時の一泊の温泉旅行自体は愉しいものだったと、亡くなる前に私の母がしみじみと言っていたよ』
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