誰かに聞いた怖い話
・・・ミーコ12
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『ええ、事故で亡くなったって…ミーコ…娘さんから』



『ミーコで良いよ、あの娘も…数少ない友達だった君達には、そう呼ばれた方が喜ぶよ、きっと…』

『あの娘には…私の仕事の都合で、いつも寂しい思いをさせてしまった…』

『それもこれも、あの一件が始まりだったんだ』

『私の伯父が、あんな事をしなければ…私の娘達も死なずに、今でも元気にしていたかも知れない…』

『いや、愚痴はもう言うまい…いくら嘆いても、娘達は二度と帰らない…』

ミーコの父親は、それから俺達に話してくれたんだ

ミーコにかけられた呪いを…

ミーコの一族にかけられた呪いの話を…





『今はもう取り壊されてしまって残って無いが…私の父親の実家は、その昔から三味線を作る職人の家系だったんだよ』

『君達は、三味線を間近で見た事はあるかね?』



『いいえ、全然』

『俺もテレビ番組で見たくらいで…』



『そうだろう…昔は今とは違って、花に街と書いて「かがい」と呼ばせていたが、今は「はなまち」と呼ぶ様になっているそうだ』

『まだ私が子供の時分には、その一郭からは芸者さんの弾く三味線の音色が、毎晩の様に聞こえて来たものだよ』

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