誰かに聞いた怖い話
13話…不倫のはて2
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『あなたのお友達のお母さんが、赤い車を購入した中古車センターを訪れ、クレームと返品を求めました…』

『勿論、あなたの体験した話もおっしゃったそうです』

『その話を聞いた犯人は驚きました…樹海の遺体を発見した人が、その遺体を運んだ車で霊現象に遭うなんて…とね』

『しかも、その車が戻って来てしまうなんて…』



『ちょ、ちょっと待って下さい…それって…』

『犯人は、あの中古車センターの従業員なんですか?』



『ええ…あなた方を応対した、この男です…でも、従業員ではありません、オーナーです』



刑事さんの見せてくれた写真には、あの恰幅の良いおじさんがにこやかに笑って写っていました…

私はあの時、何故あんなに安く友達に車を売ってくれたのかを、やっと理解しました

おじさんは証拠隠滅の為に、早く車を人手に渡したかったのでしょう

しかも、車を綺麗に使ってくれそうな人に…隅々迄、掃除してくれそうな人に…遺体運搬の痕跡を消してくれる人に…

『…でも、それだけで自首するもんなんですか?』

私の質問に刑事さんは、ちょっと困ったような表情を浮かべましたが、犯人が自首した本当の理由を話してくれました…

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あきゅろす。
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