誰かに聞いた怖い話
・・・その後に4
.
その子はその部員の顔を、ジーッと上から見下ろしていました
そして…いつの間に移動したのか…私が気付いた時には、隣の部員の枕元に移動しておりました
そうして先程の部員同様に、ジーッとその寝顔を眺めているのです
そう…まるで品定めをするかの様に…
誰かを探しているみたいに…
そしてそのなかの幾人かの枕元に座り込んでは、自分の顔が部員の寝顔に触れそうな程に近付けて、またジーッと覗き込んでいるのでした…
そうして…そんな時には決まって、その部員の口から唸り声の様なものが発せられていたのです
まるで悪い夢にうなされている、小さな子供の様に…
私はそれを薄目を開けて、見詰めていました
そして…その子は段々と…しかし確実に、私の元に近付いて来ていたのです
やがてその子が、私の三つ隣に寝ている部員の枕元に立った時、私は薄目を止めてしっかりと瞼を閉じたのでした
私は起きている事を悟られまいと、身動きする事も首筋を伝う汗を拭う事も出来ずに、しっかりと目を詰むっていたのです
そしてそろそろ…私の順番の筈でした…
もうどこかに行ったのかな?
その子はさっきから、全然気配を感じさせませんでした…
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