誰かに聞いた怖い話
39話…その後に
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けれども…私と2年の先輩の両手は、お互いの手を掴み合っていて…部長の事を触る事など出来ませんでした
『!』
お湯から両手を出して、お互いに掴み掛っていた私達二人に漸く部長も気が付いた様子で、部長の顔からみるみる内に血の気が引いてゆくのがわかりました
多分それは…私達も同じだったと思います
『そ…そろそろ出ようか?』
『そうですね』
『はい』
少しの間、白濁したお湯を気味悪る気に眺めていた部長の言葉に、私達も賛意を示し部長より先にお湯からあがったのです
ですから…最後にお湯からあがろうとした、部長の姿は見ていません
私達が知っているのは、部長のあげた小さな悲鳴と…慌てて後ろを振り向いた私達の目の前で、膝を抱えて蹲る部長の姿でした
それからが大変でした…
下級生の知らせを聞いて慌てて風呂場に駆け付けた先生が、宿を通して救急車を頼み、部長を病院に連れて行ったのでした
本当は親友である私も一緒に付き添いたかったのですが、先生が病院に行ってしまうと、あの1年生の娘一人で先生の部屋には泊まれません
ですから…先生と一緒に病院に行って貰ったのです
そして、その夜の事です…
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