誰かに聞いた怖い話
・・・学校の怪異13
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『ここで何をしてるの!』

不意にその場に響いた高い声音は、聞き覚えのある声でした

俺の事をスポットライトの様に照らし出す、小さな懐中電灯を手にしたその人は、俺の良く知る人だったのです



『何だ…君か…どうしたの電気も点けないで…』

彼女はそう言うと俺の足を踏まぬ様に注意しながら、音楽室の中に足を踏み入れ、懐中電灯で照らし出した明かりのスイッチに手を伸ばしたのでした



そして俺は音楽室のライトの元に立つ、音楽の先生であると共にコーラス部の顧問でもある先生の顔を見上げて居たのです



『ほら大丈夫?電気も点けずに、ここで何をしていたの?』

彼女はまだ尻餅を着いて居る俺に、手を伸ばしました





『彼女は…先生は、ピアノの音を全然聞いてはいなかった…勿論、彼女はその時…俺の他には誰の姿も見なかったと言ったんだ』

『それだけじゃない…俺の通った小学校で音楽室に纏わる話は…今迄何も無かったと言うんだよ…確かに俺もそれ迄、そんな話を聞いた事は一度も無かったけど…でも、一つだけ気になる話を、ずっと後になってから聞いたんだよ』

『そのピアノは、学区のとある方から寄贈された物だった…その持ち主が…』

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あきゅろす。
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