誰かに聞いた怖い話
・・・学校の怪異8
.
俺はその調べに引き寄せられる様に、その調べの方へと…ピアノの方へと、知らず知らずの内に歩き出していたのです



…後少し…



…後…もう一歩踏み出せば、ピアノをひいている者が誰なのか、きっと俺にも分かる筈…



『?』

ピアノの前の椅子に座る者は、誰も居ませんでした



それでもピアノは、鳴り続けているのです



…俺に見えない様に、ピアノの陰に隠れて居るのかな…



俺は更に足を進めました

誰がピアノをひいているのか、ただそれだけが気になって…



けれども、ピアノの椅子が全て見える場所迄辿り着いたのにも関わらず、ピアノの前には人っ子一人座って居ないのです



『んっ?……!!』

その時俺は見付けました



聞き覚えのある調べを奏で続けるピアノの、その白い鍵盤の上を踊る回る指達を…



その白い物達は、鍵盤の上を右に左にと駆け回り…美しい調べを奏で続けていたのです



意外な出来事に立ち尽くす俺の目の前で、その白い指達は鍵盤の上を踊り回り、その動きにつれて美しい調べが音楽室を駆け巡り…



その指達の動きとピアノの調べに、俺は我を忘れて魅入っていたのです



その時でした…

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あきゅろす。
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