誰かに聞いた怖い話
81話…学校の怪異
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『此だけ風が強くなると、少し肌寒いな…』

『次は俺の番なんだけどな…俺達は同じ大学に通ってるから、あの大学に伝わる怪談話や不思議な話は、俺達共通の話題だよな?』

静寂の一時を破ったのは、車好きな彼でした



『だからさ、大学に伝わる話をしていても、皆が知っててつまらないだろう?』

『どうだい、俺達がそれぞれ通った小学校や中学校に伝わる怪談話を話すって言うのは?』



『おぅ!それなら別々の学校だから、面白いかも知れないな…俺は賛成だぜ』

車好きな彼の提案に真っ先に答えたのは、日に焼け健康的な肌色をしたサーファーの彼でした

もっとも、彼の赤銅色の肌色を、此の場で見ている訳ではありませんが…

私は、焚き火の炎の揺らめきに照らし出され、益々その赤い色合いを強めた彼の顔に、日差しの元での彼の顔を重ねて見ていたのです



『そうだね…今はこうして僕達全員が同じ時間と同じ空間の一部を共有しているいるけど、ほんの数年前迄は全然違った環境を生きて居たんだから…本当に不思議な事だよね…』

そうしんみり呟いたのは、旅行好きな彼でした

そして私も呟いたのです

『いつ迄も…皆でわいわい楽しくやれたら良いね』

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